第十一幕その一
[8]前話 [2]次話
第十一幕 練習試合本番
練習試合の日が来ました、あちらの学校からマイクロバスが来たのを見てです。先生は一緒に出迎えに来ている相撲部の皆に言いました。
「じゃあ今日はね」
「はい、怪我をしないでですね」
「楽しくする」
「スポーツマンシップも守って」
「そう、絶対にね」
それこそというのです。
「その三つを守って」
「練習試合をして」
「その後の合同稽古もですね」
「最後までする」
「そうするんですね」
「そうしようね」
穏やかな顔のまま言う先生でした。
「今回も」
「これまでの稽古と同じくですね」
「その三つは守ってですね」
「最後までするんですね」
「うん、あと僕はこの練習試合が終わったら」
先生は部活自体のこともお話します。
「顧問の先生が戻って来るから」
「あっ、そうですね」
「それならですね」
「先生は臨時でしたし」
「監督はですね」
「そう、退任となるね」
臨時としての顧問即ち監督のお仕事からです。
「そうなるね」
「寂しいですね、何か」
「先生が退任されると思うと」
「親方が悪い訳じゃないですけれど」
「先生がいなくなるって思いますと」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
先生は皆に笑顔で応えました。
「僕もね」
「では先生、挨拶をしてですね」
「それからですね」
「練習試合ですね」
「これから」
「そう、ただ僕はいつも言ってたけれど」
こうも言った先生でした。
「勝敗については気にしないからね」
「そうしたことも大事ですけれど」
「もっと大事なことがあるからですね」
「先生がいつも仰っている三つ」
「その三つを守ることですね」
「そうだよ、その三つを守ることが大事で」
それでというのです。
「勝敗はその後だよ」
「勝敗よりも大事なものがある」
「お相撲もですね」
「そう、武道もスポーツもね」
そのどちらにしてもというのです。
「三つが大事でね」
「勝敗も確かに大事ですけれど」
「その三つの後ですね」
「わかりました、それじゃあ」
「僕達も守ります」
「そうして練習試合をしようね」
笑顔で言った先生でした、そしてでした。
まずはまわしを付けて柔軟体操をするのでした、その時に相手の顧問の先生とも挨拶を交えました。その時にです。
相手の相撲部の先生、恰幅のいい角刈りの親方と言われている人が先生にこうしたことを言ってきました。
「外国からの方ですね」
「はい、イギリスから来ました」
先生もこう答えます。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ