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リリなのinボクらの太陽サーガ
コンフルエンス
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新暦67年9月23日、4時47分

「そっか……ビーティーは結局、復讐を果たしたのか」

崩壊した戦艦から脱出しながら事の成り行きを見たジャンゴは、次の報復の連鎖が始まってしまった事に何とも言えないやり切れなさを感じた。

「報復心こそが人を動かす。ヒトから逸脱したサイボーグも、人間らしく報復心に憑りつかれていたようだ」

戦艦を挟んだ反対側から、スカルフェイスの声が煙に混じって届く。姿を見る事は出来ないが、彼の声音に若干の苛立ちが含まれているとジャンゴは感じた。

「大将ともあろう者が次元航行艦という大事な足を失ったせいか、ずいぶん怒っているようだね」

「思い上がっている所悪いが、たかが戦艦一隻、サヘラントロプスに比べたら物の数ではない。それに……保険が無駄にならずに済んだ」

「保険? ……もしや!」

保険の内容を察したジャンゴはなのはとビーティーに合図を送る間もなく、戦艦を回り込んで反対側に向かう。声が妙に遠くから聞こえた事で、スカルフェイスが逃走しようとしていると判断したからだ。

それは事実で、反対側に着いたジャンゴは閉まる途中の自動扉を見つけた。緑色の点灯が光るその扉をスカルフェイスが通ったと気付いたのは一瞬で、ジャンゴも急ぎ追いかけて行く。

扉を越えた先の通路はそこまで長くなかったが、その代わり通路の先から響いてきた轟音が通路全体を振動させる。それがついさっき聞いたジェットエンジンとよく似た音であると思った瞬間、ジャンゴは通路を出て少し開けた空間に到着した。そこは先程の次元航行艦用ドックを小さくしたような場所で複数のハンガーがあり、中央では小型の戦闘機が今にも飛翔しかけていた。

「なっ!? ハリアー2が何でここに!?」

ハリアー2は世界初の実用V/STOL攻撃機ハリアーの発展型で、機体側面にあるエンジンノズルの推力線を変える事で垂直単距離離着陸を可能にしている。ハリアー2はハリアーに比べてエンジン吹き出し口の改良等でペイロードがかなり拡大されており、そのおかげで武装も大幅に増えている。本来は胴体パイロンに25mm機関砲ポッド、両翼に対地攻撃用ロケット弾、空対空ミサイル、クラスター爆弾の各種ポッドを装備しているもので、当然、小火器なんかで撃ち落とせる相手ではなかった。

しかしこの機体は違った。胴体パイロンには小型魔導炉、両翼には外見がカートリッジによく似た魔力タンク、つまり本来の武装の代わりに次元を航行するための機能が取り付けられていたのだ。銃火器が無いおかげで攻撃される心配は無いが、現状を鑑みればむしろ次元を越えて逃げられる方が厄介だった。

「ではな、太陽の戦士。生きていれば、また会おう」

ハリアー2のコクピットから余裕の表情を浮かべるスカルフェイスの別れの挨拶が聞こえ
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