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ふわりと揺れて、誓いあう
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[2]次話
一度だけ、僕たちは駆け落ちを試みたことがある。
僕が12歳でアルタイルが13歳の頃。星祭りの夜に2人で会場を抜け出したんだ。

アルタイルのカバンの中には、油紙で包んだガラッシア焼きとソーダ水の瓶。僕のカバンには、出店のクジで引き当てた七色の金平糖。互いの左手の薬指にプラスチックの指輪をはめていた。

持ち物はたったそれだけ。
明らかに無計画で衝動的な駆け落ちだ。


僕たちは落ちていたガラス瓶を拾い、その中に星の欠片を集めてランタンにすると、淡く小さな明かりを頼りに、ひたすらに人目を避けて森の中へ逃げた。
なるべく早く城から離れて、国外へ行こうとしていたんだ。

国外って具体的にどこ?

何も考えていなかった。

僕たちはまだまだ子供だった。
胸の奥に生まれた感情はやたらと熱を発散したいばかりで、何かを支え包み込むような性質は持ち合わせていなかった。

あの無邪気さ。
僕は今でも思い出すたびに、少し笑ってしまう。



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