暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 31 「決戦の始まり」
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からしてもなのはが課してきた訓練はハードだったのだから。

「ふふ……目開けていいよ。まあ私が言うのもなんだけどきつかったよね」
「それでも、ここまで4人ともよく付いて来た」
「そうだな。4人とも誰よりも強くなった……とはまだ言えない。だがどんな相手が来たとしても、どんな状況になったとしても負けないように俺達は教えてきた」
「うん。守るべきものを守れる力、救うべきものを救える力、絶望的な状況に立ち向かって行ける力……ここまで頑張ってきたみんなにはそれがしっかりと身に付いてる。夢見て憧れて必死に積み重ねてきた時間、どんなに辛くてもやめなかった努力の時間は絶対に自分を裏切らない……それだけは忘れないで」
「きつい状況をビシッとこなしてこそのストライカーだからな」

 隊長陣の鼓舞にフォワード達は元気に返事をし、出動の号令に敬礼を返すと行動を始める。ついこの間までは頼りなかったのにずいぶんと頼もしくなったものだ。
 そう感じる中で走っていくティアナ達とは対照的にその場を動こうしないスバル。表情から察するに何か言いたいことがあるようだ。

「……あたしは先に行くぞ」
「うん」
「ショウ、ちゃんとスバルを行かせてなのはを連れて来いよ」
「そこまで心配することはないと思うが……分かった」

 ヴィータは軽く手を挙げて意思を示すと足早に去って行った。この場に残されたのは俺になのは、そしてスバルの3人。スバルの曇った顔から考えるにギンガのことで不安でもあるのだろうか。

「スバル、ギンガのこともあるしきっと……」
「あの、違うんです! ギン姉は多分大丈夫です。私がきっと助けます。今は……なのはさんとヴィヴィオのことが」
「……ありがとうスバル、でも大丈夫だよ。1番怖いのは現場に行けないことだったんだけど、八神部隊長がそこをクリアしてくれた。現場に行って全力全開でやっていいんだったら不安なんて何もない。ヴィヴィオだって大丈夫。私がきっと助けてみせる」

 ヴィヴィオの泣き叫ぶ姿を見た時には今にも崩れそうだったわけだが、今のなのはの瞳にはいつもの力強い輝きが戻っている。俺が発破を掛けたこともあって強がっている可能性もありはするが、それでも心が折れそうなほど脆い状態ではないのは分かる。こういうところが俺が憧れた昔から変わらないなのはの強さ……心の強さなのだろう。

「だから心配ないよ。スバルが憧れてくれたなのはさんは、誰にも負けない無敵のエースなんだから」
「……はい」

 いつものような元気のある返事ではなかったが、スバルの目からは先ほどまでの不安は消えている。涙は浮かんでいるもののそれは負の感情から来ているものじゃない。心配することはないだろう。

「あの……ショウさん」
「悪いな……ギンガを助けるって約束したのに一
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