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幽雅に舞え!
拭えない過去
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ラルドにはジムバッジを、そしてサファイア、ルファ、エメラルドには高額のお金が手渡された。ルファ、エメラルドはま、こんなもんだよなと平気で言っているが、サファイアとしては素直に受け取れない。

「……ホントにいいのか?こんな……50万円も」
「フッ、貴様は町ひとつを救った英雄だ。これだけでは安すぎる。後日にはなるが、貴様らにはキンセツのフリーパスを用意しよう」
「フリーパス?」
「キンセツシティの施設の全てが無料になるってやつか!そりゃ俺たち金持ちでもそうそう手に入るもんじゃないぜ!」

 エメラルドが興奮気味に説明する。要するに金で買えない特別なものらしい。……そんなものを貰っていいのか、やはり不安になる。

「いいじゃないか。仮にもキンセツを支配する人間がそう言うんだ。ありがたく貰っておこう」
「でも……」
「サファイア君。自分の行いを安く見るんじゃないよ。あの博士の機械を止めていなければ、キンセツシティは壊滅していたんだ。これだけ大きな町がなくなれば、果てはホウエン全体の危機と言って差し支えない。その事実を受け止めることだね」
「嬢ちゃんの言う通りだぜ、少年」
 
 一つの町の壊滅。それがいかに恐ろしいかは、サファイアの想像をさらに上回るのだろう。二人に説得され、サファイアも納得……とまではいかないが、了承する。

「わかった。じゃあ……ありがとう」
「それでいい。後は……確か貴様はジムリーダーと本気で戦うことを望んでいたな?」
「あ、ああ」

 質問の意図がわからず、首を傾げるサファイア。ネブラは懐から一枚の書状を取り出し、サファイアに渡す。

「これは……?」
「フエンタウンのジムリーダーに会ったら、これを渡すがいい。そうすれば奴は本気で貴様と戦うだろう。――奴と俺様は唯一無二の友人だ。頼めば聞き届けられよう」

 そう言うネブラの表情は、どこか懐かしげだった。

「では悪いが俺様は町へ出させてもらう。避難させた民間人への説明があるのでな。彼らを安心させてやらねばなるまい」

 ネブラは満足げに微笑み、外へ出ていく。そしてジムの中には4人が残された。

「んじゃ、俺はもう行くわ。……ま。元警察として礼を言っとくぜ」
「バウ!」

 グラエナが吠え、一人と一匹が去っていく。エメラルドが、今度あったときはブッ飛ばすからな!といったが、軽く右手をひらひらと振って答えただけだった。

「ったく、スカしやがって……んじゃ俺様も行くとすっか。あばよ!」

 そう言って、ジム内であるにもかかわらず自転車に乗って走り去るエメラルド。残ったのは、ルビーとサファイアだけだった。

「じゃあ僕たちも行こうか。とりあえず今日はもうポケモンセンタ
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