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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第三十話 作戦準備
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執務室にて、提督のモノローグ――

ミッドウェー諸島攻略作戦発動の封書が極秘電文で届いた。いよいよだな。綾波の命と艦娘たちの多大な労力の結果届けることができたあの物資、どうか有効に使ってくれ。また空襲を受けたら、俺は軍令部長と刺し違える覚悟で横須賀に行く。そのつもりだ。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、軍令部は感謝状と俺の中将への昇進発令、そして新たな作戦指令を届けに来た。
 まったく!こっちの艦娘たちは横須賀から戻ってきたばかりでものすごく疲れているんだ。それを出撃させろとはどういうつもりだ。
 作戦の概要は陽動作戦だ。南太平洋上にて示威行動を展開して敵の目を引き付けよ、とのことだ。要するに囮だな。俺は承ったとの返事を出したが、フン、いつまでもこっちが従順だと思ってもらっては困る。俺は鳳翔を自室に呼んで作戦会議を開いた。鳳翔は落ち込み気味だった。気丈に振る舞っているが、俺には分かる。無理もない。自分を庇って綾波が死んでしまったんだからな。だが、一番悪いのはそんな状況下に皆をおいてしまった俺だ。こういうとき・・・自分の気持ちを言葉にできないことがたまらなくもどかしくなる。そしてこういうとき・・・どんな行動も誰しもを完全に満足させてはくれないんだ。

感傷的になってしまったな、作戦のことに集中しよう。

こちら側にも例の物資は一部残してある。これで当面の出撃に関しては大丈夫だ。それに嬉しいことが一つある。天城、葛城、雲龍が当面呉鎮守府の直属となったことだ。さらに、長波、早霜、朝霜、そして照月の駆逐艦隊が近々こちらに配属されるという。いいのか?呉鎮守府ばかり強化して。それもこれも発令される作戦が大規模だからなのか?
さらに作戦の必要上、空母瑞鳳を派遣してきた。瑞鳳の奴は佐世保鎮守府所属なのに、いいのか?まぁ、横須賀には紀伊たちがいるし、それだけで第一、第二航空戦隊が組めるほどだから、いいのかもしれないが、他の鎮守府のことも考えたらどうなんだ?そしてだ、こっちの機嫌を取ろうとしているかどうかわからないが、横須賀鎮守府は海外からの新鋭艦隊をこっちに回してくれるらしい。何でも伊国から回航される艦娘なんだそうだ。
どうもうちは優遇されすぎているような気がする。そして、うちの艦隊は外国からのお客さんが多いな。だが、これで鎮守府の雰囲気が少しでも明るくなればいいと思う。

・・・・歓迎のパスタ、用意したほうがいいだろうか。あ、瑞鳳の奴は日本酒だったか。灘を入れておいて正解だったかな。


* * * * *


埠頭に上がった二人の艦娘は珍しいものでも見るようにあたりをあちこち見まわしていた。
「ここが・・・私たちの配属される鎮守府なのね?」
と、リットリオ。
「そうみたいです。ふ〜ん、私たちのところよりも地味みたい。」

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