第九幕その六
[8]前話 [2]次話
「本当にね」
「いい国でもですね」
「目に余るものもあるよ」
「そこはイギリスと同じですね」
トミーはこうも思いました。
「いいところばかりじゃない」
「どの国でも誰でもどんな場所もね」
「いいところと悪いところがありますね」
「そうだよ、どうしてもね」
「日本もそうなんですね」
「そういうことだよ」
「わかりました、よく」
残念そうなお顔で応えたトミーでした。
「日本も然りですね」
「うん、それと悪人はね」
「何処でもいますね」
「そう、何処にもね」
「学校の先生やマスコミには悪人が多いのが日本ですね」
「そういうことになるよ」
こうお話してです、そして。
先生はトミーにです、こうしたことも言いました。
「今度の練習試合に向けて」
「はい、先生も練習ですね」
「いやいや、僕はしないよ」
先生はトミーに笑って応えました。
「お相撲の練習はね」
「スポーツだからですね」
「どうしてもね」
それこそというのです。
「それはしないよ」
「監督だけですね」
「そうだよ、褌も着けないよ」
「褌もですか」
「期待してた?」
「お相撲ですから」
だからという返事でした。
「ひょっとしたらって思ってましたけれど」
「それでなんだ」
「はい、そうなんですね」
「うん、スーツのままだよ」
いつも通りというのです。
「監督をさせてもらうよ」
「先生のいつもの服装ですね」
「そうなるね」
「じゃあ頑張ってきて下さいね」
「皆に怪我がない様にするよ」
こうも言った先生でした、そしてです。
今度はトミーからです、先生に言いました。
「ところでこの前お好み焼き屋さんに行かれましたよね」
「ああ、大阪の」
「はい、休日に行かれて」
「美味しかったよ」
そのお好み焼きについてです、先生はトミーに笑顔でお話しました。その美味しさを思い出してそうしたお顔になっているのです。
「これがね」
「そうなんですね」
「焼きそばとたこ焼き、いか焼きも食べてね」
「楽しんでこられたんですね」
「凄くね、モダン焼きもよかったよ」
こちらもというのです。
「お好み焼きの中に焼きそばを入れたね」
「あれはびっくりしました」
モダン焼きについてです、トミーはこう言いました。
「お好み焼きの中にさらにですから」
「入れてね」
「こんなの美味しいのかって」
「思うね、ぱっと見たら」
「ですがそれが美味しくて」
「いいんだよね、それと広島風も食べたよ」
そちらのお好み焼きもというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ