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幽雅に舞え!
届かぬフワンテの思い。
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「大変です、ネブラ様!昨日まで上空に集まっていたフワライド達が、無理やりシティの中に侵入してきました。住民達も放送を聞いてパニックに・・・!」
「そんな・・・!」

 今までとは違う、町全体を覆う恐怖に混乱しそうになるサファイア。
 
「狼狽えるな!こんな時こそ我等が動くとき。お前達は半々に別れ、片方は町の人々を地下ーーシーキンセツへと避難させよ!そして残りでフワライド達を食い止めるのだ!」
 
 だがネブラは冷静さを失ってはいなかった。ジムのトレーナーを一喝し、指示を出す。トレーナーは頷いて他のメンバーにもその指示を伝えにいった。

「あんたは、どうするんだ?」
「あれだけのフワライドを操るのだ。それには相応の電子機器、並びに電力が必要となるはず。この町の電力を不正かつ大量に使用している場所を探しだす。さあ、お前達にも避難してもらうぞ」

 彼にしてみればそれが当然の判断だろう。不審人物かもしれない民間人を隔離しておけるのだから。
 だが、サファイアはそれに頷くことはできなかった。
 
「いいや、俺にもーー俺たちにも手伝わせてくれ!」
「なんだと?貴様らに何が出来る。子供の遊びではないのだぞ。それに、女狐を自由にさせろというのか?」
 
 確かに、まだルビーへの疑いは晴れていない、だが。
 
「町の人を避難させるのは俺たちには出来ない。だけどフワライドを食い止めることなら出来る。そこにはジムのトレーナーだって向かってるんだろ。だったらルビーを監視することだって出来るはずだ。人手は多い方がいいんじゃないか!?」
「・・・」
 
 サファイアの必死の訴えに、彼に目をあわせ睨むネブラ。そして折れたように頷いた。

「良かろう、その提案飲んでやる。即刻町の入口へと向かえ」
「ありがとう!いいよな、ルビー?」
「面倒だけどしょうがない、君のワガママに振り回されてあげるよ」

 彼女の表情は、面倒といいつつも微笑んでいた。そのことに感謝しつつ、サファイアはルビーの手を取ってフワライド達の集まる町の入口に走り出す。この町を守るために。



「コイル、電撃波!」
「ラクライ、スパーク!」
「いくぞ、シャドークローだ!」
「キュウコン、火炎放射」

 ジムのトレーナー達の攻撃に、漆黒の一撃と九つの紅蓮が、フワライドの一体に直撃する。あの時二人がかりでやっと倒せたフワライドを、町に侵入される前に即座に倒していく。自分達はあの時よりもずっと強くなった。だがーー
 
「いったい何体いるんだ・・・キリがない」
「森で見ただけでも相当な数だったからね。ジムリーダーが装置の場所を特定してくれない限り、ずっとかな・・・サマヨール、守る」

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