暁 〜小説投稿サイト〜
僕は生き残りのドラゴンに嘘をついた
第3話 ソラト、級を上げる
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話

「何だ?」
「僕、少しは腕上がってる?」
「そうだな。だいぶ良くなった。体つきも以前よりしっかりしてきている」

 デュラはそう言うと、包んでいる体をほんの少しだけ締めた。
 激しく動いていたからかもしれないが、デュラの鱗は、見かけのイメージよりもずっと温かかった。

「ドラゴンに稽古してもらえるって、多分、贅沢なんだろうな。しかもタダで教えてもらってる」

「私はかまわない。お前には同胞や大魔王様の居場所を教えてもらった。それに、これから船を用意してもらう。我々ドラゴンは、受ける恩に対しての対価は惜しまない。むしろ不足と考えているくらいだ」

「……そ、そうなんだ」

 急に居心地の悪さを感じ、ソラトは立ち上がった。

「じゃあ、また明日来るよ」
「ああ。待っている」

 休んで、息は整った。
 だが、ソラトの胸の苦しさは、増した。

 その恩。それがすべて、嘘だとしたら。
 デュラ、君は――
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ