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僕は生き残りのドラゴンに嘘をついた
第0話 ドラゴン、隠された穴から出てくる

[2]次話
 少年はそれ≠見ると、悲鳴をあげ、その場所で尻餅をついてしまった。

「な……なんで……」

 かすれる声で辛うじて言葉を絞り出す、亜麻色の髪の少年――ソラト。
 十五歳を迎え、ギルド登録を済ませたばかりの初級冒険者だった。


 『山頂近くに生えている薬草を採取』
 初めて受けた、その依頼。初級者用の簡単な仕事のはずだった。
 ギルドからも「今はもう安全な山なので、一人でも大丈夫」と言われていた。

 しかし……山頂近くの急斜面の下。
 少し地面が揺れたと思ったら、溜まっていた瓦礫が突然崩れ、斜面に大きな横穴が現れた。
 そして、そこから姿を見せたのは――

 かなりの前傾姿勢にもかかわらず、少年の二倍以上はあろうかという背丈。
 逆三角形の額と、厚みのある顎を持つ頭。やや長いが力強さのある首。鱗に覆われたスマートな体。
 畳まれている翼。その先端にある鉤爪。そして、長く伸びる尾。

 ドラゴンだった。
[2]次話


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