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幽雅に舞え!
激昂のエメラルド
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慢の限界だ!」
「!!」

 自分たちを船に誘ったのはそんな理由があったのかと驚くサファイア。ルビーはまあわかってたとばかりに肩を竦めてみせる。

「あいつ……ルファとかいう野郎、俺様に対して明らかに手を抜きやがった!この俺様が、てめえらのせいで舐められたんだぞ!だからてめえらとは、もうこれまでだ!」
「なんで俺たちのせいなんだよ!」

 その疑問には、ルビーが代わりに応える。

「エメラルド君は広範囲の攻撃が得意みたいだからね。本気を出すとどうしてもボクらを巻き込む危険があったんだろう。仲間として旅をするのを装う以上、それは出来ない。故に本気が出せなかった……そう言いたいのかな」

 ああそうだよ、とエメラルドは吐き捨てる。そんな彼を、ルビーは嗤った。

「そしてそれは、ただの責任転嫁だよ。ボク達から船に乗せてくれるよう頼んだわけでもないしね。いわば――自業自得さ。責められる謂れはないね。はっきり言って、君には失望したよ。」
「チッ……」

 エメラルドもそれはわかっているのだろう、露骨に舌打ちした。そしてサファイアたちを押しのけてポケモンセンターから出ようとした。

「とにかく、てめえらと旅をする理由はもうねえ。二度と俺様の前に面出すんじゃねえぞ……」
「待てよ!!」

 だがそれを、サファイアは彼の胸ぐらを掴んで止めた。それはただ怒りをぶつけるための行為ではない。サファイアはまだエメラルドのことを一緒に旅した仲間だと思っているし、それを解消する気もなかった。

「だったら……だったら、一度俺とバトルしろ!」
「ああ……?なんで俺がんなことしなきゃいけねえんだよ」
「俺はバトルしてお前に勝つ。俺は、俺たちはお前が本気を出しても巻き込まれたりしない、大丈夫だってことを証明してやる!」
「……上等じゃねえかこの野郎!丁度むしゃくしゃしてたところだ。そのムカつく態度、メタメタのぎたぎたにへし折ってやらあ!!表に出ろ!」

 お互いににらみ合い、今にも二人して外に出ていきそうなところを、ルビーが止めに入る。

「はいはい、熱くなるのもいいけれどまずはサファイア君のポケモンを回復させてからだよ。君たち、少し頭を冷やしたまえ。エメラルド君だって、弱った彼に勝ってもむしゃくしゃとやらは晴れないだろう?」
「……俺は先にあの砂浜で待ってる、てめえもポケモン治したらすぐに来い!ぶっ潰してやる!」

 今度こそエメラルドはポケモンセンターから出ていく。ルビーはサファイアを見て、呆れたように言った。

「やれやれ。あんな自分勝手な子なんて、放っておけばいいんだよ?まあ、そういうところも嫌いじゃないけどね」
「……ごめん、迷惑かける。でも俺、エメラルドのことこ
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