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幽雅に舞え!
そしてチャンピオンは幽雅に舞う
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トが命中する。ヤミラミの特殊攻撃力はそう高くない。故に――

「ハッーハッハッハ!そんな攻撃がレアコイルに通用するとお思いですか、チャンピオン?さあやりなさい、レアコイル!」

 レアコイルを瀕死にするには至らない。そのままレアコイルが極大の冷気を放とうとしたとき――ピキリ、と。何かの凍り付く音がした。

「――な!?」

 レアコイルの体が、見る見るうちに凍り付いていく。まるで自身が放とうとした冷気を自分の身に受けたように。
「ば、馬鹿な!?いったいなぜぇー!!」

混乱するティヴィルに、いや――その場にいるもの全員にシリアは説明を始める。謎解きをする名探偵のように。
「はっはっは……面白いことを言いますね。それはあなたが招いた結果なんですよ。

レアコイルは通常電気タイプの技を得意とし、炎や氷とは無縁です。――ですが、現代の技術なら電気で高温や冷気を出すことは難しくありません。電気ストーブやクーラーのようにね。

あなたのレアコイルの中にも、そうした技術の機械が埋め込まれているのでしょう。それに適切な電気、電磁波を与えることで炎タイプや氷タイプのごとき攻撃を演出した。なかなか面白い工夫です。ですが――少し、ポケモンに無理をさせ過ぎていますね」

そこまで言ったシリアの瞳が少し怒りを含んだものになる。それはポケモンを蔑ろにするものへの怒りだった。
「ではもし、与える電気の量が非常に多くなってしまったら?電磁波の磁場が狂ってしまったら?――それは、機械を埋め込んでいるあなたのポケモン自身を襲うんですよ。それがこの結果です。

あなたの敗因はたった一つ――自分の実験のために、ポケモンへの負荷を考えなかったことです」

 びしり、と指を差して優雅に宣言する。

「ムキッー!何を下らないことを……私にはまだ真の切り札たるロトムがいるんですよ!」
 髪をかきむしり、機械の上で地団太を踏むティヴィル。
「おや、何か忘れていませんか?

――ねえ、エメラルド君?」

そこでシリアはエメラルドの方を向く。今までレベルの違う戦いに蚊帳の外だったエメラルドは、怒りをぶつける。

「ああそうだぜ……レアコイルが倒れたってことはてめえを守る壁はもうねえ!食らいやがれ、ソーラービーム&火炎放射ァ!!」
「し、しまった!?ぬわっーーーーーーー!!」
 ワカシャモの火炎放射とジュプトルのソーラービームが今度こそティヴィルの機械を正確に捉える。機械ごと吹っ飛ばされて、空中で大爆発した。残骸すら残さず消し飛んだようにサファイアには見えたのだが。

「……生きてるのか、アレ?」
「生きていてほしいとも思わないが、残念ながらこういうのは大抵ギャグ補正というやつが働くんだよ」
 微妙に
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