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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#8
FATE TO PHASE
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【1】


 麗らかな陽光が降り注ぐダイニング・ルーム。
 広々とした空間と高い天井、ネオクラシックスタイルをモチーフにした
オーク材のテーブルが充分なスペースで配置され、
青々とした観葉植物と有数の名画に彩られる瀟洒な室内。
 その一画で周囲の雰囲気に違和感なく溶け込む少女が
洗練された仕草で紅茶を口に運ぶ。
 彼女の隣では合わせ鏡のような風貌の少年が
バターと蜂蜜がたっぷり塗られたトーストを子供っぽい仕草で咀嚼している。
 豪奢な撫子色のドレスと気品のある臙脂色のスーツを着たこの双子は、
人間ではない超常の存在。
 紅世の徒、その真名 “愛染他” ティリエルと “愛染自” ソラト。
 まだこの世に存在して間もない若い徒である故に “王” の名は冠していないが、
既にその実力と潜在能力はソレを凌ぐとすら云われている。
 また組織内に於いて最大の実力者であるエンヤと懇意の関係にある為
(実際は二人が一方的に慕っているだけなのだが)
その風貌から二人を軽視する者は殆どいない。
 食堂には彼女達の他にも何人か異能者がいたが、
皆その雰囲気に圧倒され遠巻きに見るような状態だった。
「失礼致します。ティリエル様」
 裾の長いスーツを着た、エンヤの部屋でよく見かける青年が
物音一つ立てず皿を取り、慣れた手つきで細い腕の裏に重ねていく。
「あ、それはちょっと待って」
 何処かの令嬢と見紛う口調でティリエルは青年の手を窘め
くるりと隣に向き直る。
「お兄様。甘いものばかりではなくお野菜もちゃんと召しなさいませ。
全部食べ終わるまで、デザートは運ばないように言いつけてありますから」
 厳格なる詰問を静か且つ丁重な口調で告げる妹に、
その兄は悪戯のみつかった幼子のように身を小さくする。
「……う、うん。解った、ごめんなさいティリエル」
 彼女の顔色を窺うようにソラトは、閉じた瞳に涙を滲ませながら
残ったサラダや人参のグラッセの類を口に運んでいく。
 いつもの朝のいつもの光景、ソレをいつものように小さく頷いた少女は
再び瞳を閉じてカップを口に運んだ。
 その真名が示す通り、この世の何よりも深い愛情を兄に注ぐ妹ではあるが、
『真の愛情』 とはただ一方的に甘やかすのではなく
厳しく戒める事も必要だという道理を、この少女は幼い風貌ながらも熟知している。
 やがて自分の指示をきちんと成し遂げ、少し多めに見積もっておいたデザートを
幸福そうに口に運ぶソラトに自分の分も差し出しながら、
ティリエルは降り注ぐ陽光よりも眩しい笑顔を浮かべた。
「君等の仲睦まじい姿に情炎を焦がされるのも悪くはないが、
そろそろ用件を言って貰えるかな? 生憎ここは禁煙らしいのでね」
 テーブルの真向かいに座る、二人とは対極な雰
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