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ドリトル先生の名監督
第八幕その二

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「我慢する時は我慢しているよ」
「いいことだね」
「さもないと国民の皆に悪いから」
「自分だけ贅沢をする様なことは」
「そうだよ、それはイギリスの王室も同じだよね」
「どの方も質素だね」
「そうだよね、特にこの国の皇室は凄いからね」
 その質素さがというのです。
「だから気をつけてるんだ」
「贅沢をしない様にだね」
「昭和帝のお話を聞いて驚いたよ」
「あの方は凄い方だったからね」
「ただ国家元首として立派なだけじゃなくて」
「質素でしかも気品がある」
 ただ質素であるだけでなく、というのです。
「君主としてそうありたいから」
「王子の目標だね」
「僕は昭和帝みたいな王様になるよ」
「うん、いいことだと思うよ」
 先生も王子のその言葉に笑顔で頷きます。
「昭和帝、そして明治帝は素晴らしい方々だったからね」
「今の天皇陛下も素晴らしい方だしね」
「そう、あとね」
「あと?」
「王子は今言わなかったけれど」 
 それでもとです、先生は王子にお話するのでした。
「大正帝も素晴らしい方だったんだよ」
「あっ、そうだったんだ」
「今一つ影が薄いみたいだね」
「そういえばそうなんだよね」
 少し首を傾げさせてです、王子は先生に答えました。
「明治帝、昭和帝は凄く有名な方だけれどね」
「その間におられるけれど」
「どうもね」
「そうだね、どうしても影が薄いね」
「お二人があまりにも偉大だからかな」
 王子は腕を組んでこうも言いました。
「だからかな」
「在位期間も短かったし」
 先生はその大正帝について先生にお話するのでした。
「十五年、実質十年位だから」
「実質?」
「そう、残り五年は元々お身体の弱い方だったから」
「だから在位期間も短かったんだ」
「そうだったんだ」
 実際にというのです。
「そして残る五年はね」
「在位されてても?」
「当時皇太子であられた昭和帝が摂政を務めておられたんだ」
「だから実質十年なんだ」
「そして昭和帝は実質六十九年だね」
「昭和って長いんだね」
「うん、摂政であられた期間を含めるとね」
 それだけになるというのです。
「だから短いしお二方が目立つから」
「それでだね」
「そう、影が薄い方だけれど」
「実はなんだ」
「国家元首としての務めに真面目に向かわれてお子さん達にも優しくてね」
「家庭的な方だったんだね」
「そう、凄くね」 
 王子にこのこともお話するのでした。
「とてもいい人だったんだよ」
「影が薄いと思っていたら」
「大正帝も立派な方だったから」
「勉強するといいんだね」
「王子は将来王様になるからね」 
 そうした立場の人だからというのです。
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