暁 〜小説投稿サイト〜
ダタッツ剣風 〜悪の勇者と奴隷の姫騎士〜
第二章 追憶のアイアンソード
第14話 ある日の稽古
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け出して二人の後を追跡し始めたのだ。ダタッツの全てを知ろうという、執念にも似た彼女の想いが、その速さに現れていた。

 さらに彼女は、その速さを維持したまま全く物音を立てずに、二人の後を尾行していた。ダイアン姫は彼女に気づくことなく、真っ直ぐ王室へ向かっている。

(……ダイアン姫は気づいていないことだし、ここは好きにさせておくか)

 一方、ダタッツは気づかないままの姫騎士を見遣りながら、チラリとロークの方を一瞥する。ローク自身はダタッツに看破されていることに気づかず、追跡を続行していた。

(へへっ……二人ともオレには気づいてねぇな。よぉし、この調子でいつか、あいつの正体を暴いてやるっ!)

 そんな彼女は、意気揚々とした表情を浮かべ、二人を追う形で王室に向かって行くのだった。

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