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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
第1層ボス攻略会議
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(とうてい)こんな最前線まで辿り着けなさそうな装備だが、この人物の最大の武器は他にある。

「……お前には関係ないだろ」

俺は顔を(しか)め、冷徹な態度で返事した。相手がこの後、どんな言葉を返してくるかは予想がついた。

「ベータの時と変わんねぇナ」

俺の予想を裏切ることなく、にんまりと笑うその顔には、1つ大きな特徴がある。両ほほっぺたに、メーキャップアイテムで、動物のヒゲを模した3本線がくっきりと描き込んであるのだ。短めな(きん)褐色(かっしょく)の巻き毛と相まって、その風貌はどうしてもある種の齧歯類(げっしるい)を思い起こさずにいられない。

以前、なぜそんなマーキングをしているのか、と訊ねたことがあった。しかし、「そっちこそ、なんで顔に2つの傷痕があるんダ」とお返しされるように訊かれた直後、「その理由を教えてくれたら、このヒゲのことを教えてやってもいいヨ」と言われた。

「お前、この後のボス攻略会議に参加するのカ」

「さっきも言っただろ。お前には関係ない」

「にひひ、簡単に情報は売らないってわけカ」

太々(ふてぶて)しいにも程がある台詞を吐き、アインクラッド初の情報屋、通称《(ねずみ)のアルゴ》のケタケタ笑いを無視して、さっさと先に進んだ。











45人。

それが、この《トールバーナ》の噴水広場に(つど)ったプレイヤーの総数だった。

このSAOでは1パーティーが最大6人、それを8つまで(たば)ねて、計48人の連結(レイド)パーティーを作ることができる。ベータテスト時代の経験だと、フロアボスを死者ゼロで倒そうとするならレイドを2つ組んで交代制を()くのがベストなのだが、この人数ではレイド1つの上限すら満たせない。

右頬に負った2つの傷痕、夜空のような明るさを持つハーフコートを着用し、紺色の髪と赤い瞳を持つ少年剣士は、両肘(りょうひじ)を膝に乗せ、(うな)()れたような姿勢でベンチに腰掛け、始まるのを待っていた。

午後4時。

ここで第1層のボスを攻略するための《会議》が開かれようとしていた。

パン、パンと手を叩く音と共に、よく通る叫び声が広場に流れた。

「はーい!それじゃ、そろそろ始めさせてもらいます!」

実に堂々たる喋りの主は、長身の各所に金属防具を(きら)めかせた片手剣使いだった。広場中央にある噴水の(ふち)に、助走なしでヒラリと飛び乗る。あの高さをあの装備でワンジャンプとは、筋力、敏捷力が高いのだろう。

次いで、男は(さわ)やかな笑顔を浮かべると言った。

「今日は、俺の呼び掛けに応じてくれてありがとう!知ってる人もいると思うけど、改めて自己紹介しとくな!俺は《ディアベル》、職業は
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