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追われる夢
第四章
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「これだけで全く違います」
「朝までぐっすりとですか」
「寝られます、お身体は疲れてますね」
「はい」
 その通りだとだ、里美は答えた。
「家事と育児、お仕事で。歩くことも身体を動かすことも多いので」
「それが運動にもなっていますので」
「だからですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「後はです」
「寝る前にホットミルクを飲めば」
「かなり違います」
「わかりました」
 ここまで聞いてだ、里美は頷いた。
 そしてだ、こうカウンセラーに言ったのだった。
「ではです」
「飲まれますか、ホットミルク」
「そうします」
 実際にという返事だった。
「それでよく寝られるのなら」
「そうされて下さい」
 カウンセラーもこう言う、そして。
 実際にだった、里美は寝る前にホットミルクを作ってそれを飲んでベッドに入った。するとだった。
 カウンセラーの言う通りよく寝られた、追われる夢も観なくなったしその世界の中に入ることもなくなった。
 それでだ、職場で利奈に血色のいい顔でこう言えた。
「もうすっかりね」
「よく寝られる様になったのね」
「この通りにね」
 にこにことした顔での言葉だった。
「よく寝られる様になったわ」
「それは何よりね」
「ちょっとしたことでね」
「ちょっとした?」
「そう、寝る前にホットミルクを飲めばいいって言われたのよ」
「カウンセリング受けて」
「それがいい睡眠薬になるって言われてね」
 それでというのだ。
「寝る前に飲んでみたら」
「実際になの」
「よく寝られて、夢も観なくなって」
 そうしてというのだ。
「この通りよ」
「夢にうなされることがなくなったから」
「この通りね、よくなったわ」
「それは何よりね」
「しかもね」 
 里美は利奈にさらに言った。
「よく寝られると余計にね」
「元気が出て」
「そう、働ける様になったわ」
 家事と仕事、そして育児にもというのだ。
「万全にね」
「それは何よりね」
「全くよ、よく寝られると」
 それだけでという言葉だった。
「それだけで違うわ」
「変な夢を見るよりも」
「よく寝ることね、じゃあ今日も帰ったら」 
 笑ってだ、里美は利奈にこう言ったのだった。
「子供と旦那の世話をね」
「全力でやるのね」
「主婦としてね」
「じゃあ私も」
 利奈もだ、二児の母として言った。
「そうするわね」
「私は一人だけれどやるわ」
「その一人目が大変だけれどね」
「よく寝られる様になったし頑張るわ」
 こう言うのだった、追われる夢を観なくなりすっきりした里美はこれまで以上に自分のやるべきことに励んだ。仕事だけでなく家事、そして何よりも育児に。その顔はもう母親の顔になっていた。


追わ
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