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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第52話 独りじゃない
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黒ゼツはサソリとの戦線を離脱をして液体状になって学園都市の地下に向かっていった。

アノ娘......マサカ
イヤ、アノ時ニ目立ッタ能力ヤ術ハナカッタハズダ

黒ゼツは自身が仕損じたレベルアッパーの被害者『佐天涙子』を考えていた。
血継限界である氷遁を使いこなし、サソリやあの中の誰よりも膨大なチャクラ量を有し、目元には赤く縁取られた隈取が出現しているのを黒ゼツは見逃さなかった。

サソリノ写輪眼ニアノ娘ノ仙術......

自然エネルギーを身体に吸収し、己でコントロールする忍の中でも扱うものが稀な『仙術』チャクラを平然と行使していた。

研究室の遥か階層下......つまり、学園都市の真下に拡がる空間に液体状の黒ゼツが染み出すように入るとすぐに人型となった。
そこには物体はなく、大きな球体状の影が真上から照らされる灯りにより映し出されているだけだ。

更にその黒い影を覆うように人型のカプセルが並び、黒い瘴気のような影が球体に吸収されている。
「......コイツヲ使ウカ......」
パソコンのキーボードを叩いて、黒い球体の活動凍結を一部解除した。
すると、黒い球体の影から人間の手足の影が無造作に現れ出して、黒い波動と音に成らない咆哮を上げて、周囲の空気を波紋起てる。

ユラユラと壁の凹凸や張り巡らされたパイプに黒い腕が波打つように二次元的な這いずりで地上を求めるように幾本の腕や脚で円形を作ると儀式のようにゆっくりと一点を中心に回転を始めた。

「ヤハリ、マダ闇ガ必要ノヨウダ......完全ニ解放スルニハイカナイ」

黒ゼツは、子供の遊びのように回っている黒い影を確認すると、頑丈に守られた赤いボタンを叩き壊すかのように押した。アラームが鳴り出して赤いランプが点滅し始めた。

カウントダウンがモニターに表示されてコンマ秒の値が次々と少なくなっていった。

09:59:47:42
09:59:34:88
09:59:21:53
09:58:57:76

地上の研究所を焼き払い、証拠隠滅を図ろうとする黒ゼツ。
数字が正確に時が刻むのを確認すると視点を後ろに向けた。
「......」
黒ゼツは粘ついた笑みを浮かべて、隙間を縫うように地上へと移動を始めた。

カプセルに入って横になっているのは、木山がレベルアッパー事件を引き起こした引き金となった教え子だった。

ンセー
センセー
木山センセー
寒いよ......暗いよ
でも、木山センセーが助けに来てくれるよ
だから、全然平気だよ

******

滝壺の能力追跡(AIMストーカー)と対象を粉砕する原子崩しが精確に精密にフレンダの顔を覆っていたグルグルの面を射抜き、打ち砕いた。
「!?」
「うんこ、うんこうるせぇんだよ
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