暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#2
STRENGTHU 〜Steel Gigas〜
[9/9]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
まだ頬の紅潮が引いていないフレイムヘイズを後目に、
淡泊な口調で言葉を交わすスタンド使いと紅世の王。
「 “二重陽動” ってわけ? 咄嗟に想い付いたにしては大したものね」
 何れにしても自分が一番来て欲しい時に来てくれた事に変わりはないので、
嬉々とした声でシャナは応じる。
「にしても、あの “エテ公” が 『スタンド使い』 だったとはな。
見慣れない人間が侵入してきても騒がなかったから、妙だとは想ってたがよ」  
 そう言って承太郎は、血の後を残して何処かに消えたスタンド本体に瞳を鋭くする。
「でも敵の 『能力』 は解ったわ。
“鋼鉄を操作する能力”
配管やドアを自由に曲げて動かしたり、
壁を歪ませて中に逃げ込んだり相手を拘束したり出来るわ」
「……」
 実際にスタンド攻撃を受けたシャナの推論に、何故か承太郎は無言で応じる。
「どうしたの?」
「……外れてる、とは言わねぇが、オレの考えはチョイ違う」
「え?」
 視線を鋭くしたままの承太郎を真正面から見つめるシャナに
余りにも想定外の解答が告げられた。
「ヤツの 『スタンド』 は “この船自体” だ」
「――ッッ!!」
 驚愕の余り呼気を呑む少女の脳裡に、
今自分自身も搭乗している巨大船の全容が浮かぶ。
 船尾から無数の石油タンクとクレーン、管制塔を抜けてその舳先まで、
全長1000メートルにも及ぶ、規格外の大巨像。
「さっきおまえを攻撃してる時にスタンドの幻 像(ヴィジョン)が視えなかったし、
“鉄を操れる” ンなら、オレらの体内の血液 (鉄分) も操作されてる筈。
ソレ以前に逃げる時、鉄以外のモンも歪んでやがったからな。
読みが甘かったぜ、敵のスタンドは隠れてなんかいなかった。
最初から、オレ達の前に姿を現してたんだ……!」
「そ、そんな、ソレじゃあ……!」
 余りにも巨大過ぎるスタンドの幻 象(ヴィジョン)に、追想して甦る蒼き災厄。
「コレ…… “顕現した紅世の王” と同じ……ッ!?」
「イヤ、それ以上にタチが悪ィかもしれねぇ」
 冷たい雫が頬を伝うシャナに承太郎が言った。
「何しろ “腹ン中” にいるわけだからな……」
 暗闇の中で佇む二人に、手負いの獣が発する殺意が粘り着くように注がれた。


←TOBE CONTINUED……

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ