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Three Roses
第十五話 衰える身体その六
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「マリー様はその下でマイラ様をお助けする」
「その形が一番ですね」
「何といっても」
「王家の中に亀裂はあってはならないからこそ」
「そうあるべきですね」
「そうです、だから私も動きます」
 マイラとマリーの融和、それにというのだ。
「では」
「はい、それでは」
「その様に」
 同志達も応え何とかマイラとマリーが会う様にと願った、それで司教も動きマイラに頃合を見て何度か勧めたが。
 常にだ、マリアはこう言うのだった。
「私はいいです」
「お会いになられませんか」
「私は所詮妾の娘です」
 常にだ、まずはこう言うのだった。
「そして旧教徒です」
「それで、ですか」
「マリーは正室の娘であり新教徒です」
「同じ王家であられお父上が同じでも」
「私はあの娘と違います」
 あくまでこう言うばかりだった。
「ですから」
「それで、ですか」
「はい」
 頑なな声で答えるばかりだった。
「私はいいです」
「左様ですか」
「そうです、王にも司教にも申し訳ありませんが」
「マリー様からも是非にと言われていますが」
「誰が言おうとです」
 マリー本人が申し出てもというのだ。
「私は王家の誰とも、誰よりもマリーとは」
「会われませんか」
「そうです」
 返事は頑ななままだった。
「そのことはご了承下さい」
「ですか、ですが」
「会った方がいいというのですね」
「私はそう思います、そして」
 司教は常にマイラにこうも言った。
「他の方々も同じです」
「王も主人も」
「そして諸侯、旧教の聖職者の方も」
「そうですか」
「お会いになられるべきです」
「妾の娘であっても」
「そうです」
 ここで司教は目を伏せてしまった、どうしてもマイラの自身の生まれへの負い目が意識されてだ。それでそうしてしまった。
 これも常だった、だがマイラはその目を見て言うのだった。
「側室の娘はそれだけで違います」
「正統ではないと」
「王子ならまだ違うでしょうが」
「姫君は」
「これまで王家においても側室の娘は低いものでした」
 その地位も扱いもだ、彼女達の父はそうい風には決して扱わずそのうえで平等に扱っていたがだ。他ならぬマリーと同じく。
「ですから」
「側室だから」
「それでどうして会えましょう」
「ですか」
「はい、私はいいです」
 こう言って常に断り続けた、そうしたことが何度も続き。
 王も司教ものその努力が実っていなかった、太子はその状況を見て彼の側近達に対して狩りの休憩の時にこんなことを言った。
「どうしようもない」
「妃とマリー王女のことは」
「どうしてもですね」
「そうだ」66
 まさにとだ、紅の葡萄の美酒を飲みつつ言った。
「二人の間の垣根、いや妃の心の壁は高
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