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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
213部分:第二十八話 船の上にてその八

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第二十八話 船の上にてその八

「お顔に似合わずその御心には武がある」
「やはり。聖闘士ということか」
「そうだな。デスマスク様やシュラ様と同じく」
「聖闘士であられる」
 またこのことを話すのだった。
「そして最強の黄金聖闘士であられる」
「そうだな。ではこの度の戦いもだ」
「激しい戦いになる」
 まずこのことは察知していた。
「我々も含めてな」
「そしてその中心におられるのはアフロディーテ様だな」
「あの方以外におられぬ」
 その圧倒的な強さは既に見た。ロイヤルデモンローズでインプ達を一掃したその時にだ。その時にこそ彼の真の強さを見たのである。
「黄金聖闘士。聖域の象徴にして切り札」
「その強さは尋常ではない」
「その通りだ」
 ミスティはアルゴルの言葉に対して頷く。
「教皇はそれを知っておられてその為にアフロディーテ様を」
「送られたのだな。我等以外に」
「この戦い、おそらくはだ」
 ミスティはまたアルゴルに話す。
「黄金聖闘士がその中心になっていくだろうな」
「あの方々がか」
「この武漢ではアフロディーテ様がだ」
 まずは彼であった。
「そしてトラキアもまた八大公をそれぞれ出してくる」
「あちらにとっては八大公がその切り札か」
「うむ」
 彼等はまた話していく。
「そこに我等が入る余地はない」
「そうだ。我々はだ」
 彼等自身についても話す。
「あの方の闘いに入る余地はない」
「そうだな。我々にはな」
 そのこともよくわかっていた。そうして眠っているアフロディーテを見るのだった。
「あの方にはあの方の闘いがある」
「うむ」
「そして我等はだ」
 今度はアルゴルが話すのだった。
「我々は我々の闘いを果たす。よいな」
「そうだな。それではな」
「そのようにな」
 二人で話す彼等だった。そうしてそのうえで頷き合いそうして。また顔をあげるのだった。
「この闘いを進めていこう」
「我等の責務を果たしてな」
 彼等もまたこの闘いでの自分達のあり方を確認するのだった。そのうえで敵が待つ武漢に向かう。そこを決戦の地と見定め。そのうえで向かうのだった。


第二十八話   完


                 2009・5・2

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