暁 〜小説投稿サイト〜
没ストーリー倉庫
=戦闘訓練編= ネライセレクト
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 
「水落石、どう来ると思うよ?」
「正面突破あるかもな。入試でちらっと見たんだけど、アイツ動きパねぇぞ」

 核ミサイルの前で水落石と峰田を待ち構える切島の質問に、瀬呂は真面目な顔で答える。峰田もそうなのだが、水落石の『個性』を把握していない二人の間には結構な緊張感が漂っていた。戦う前はあんなふざけた態度だった水落石だが、少なくとも瀬呂の見立てでは楽して勝てる相手ではない

「マジで?確かに十手とか持ってるけど全然イメージ沸かねーな」
「確かに見た目はフツーだけど、あいつ滅茶苦茶アグレッシブに動くんだよ。ロボットとの戦いでもロボットの動きを利用して別のロボット倒したりさ。なんていうの?柔よく剛を制すじゃないけど周囲のモノを利用して動くのが巧いんだよなぁ」
「つまり強化系の『個性』か!」
「うーん、正直強化系にしてはそこまでド派手な動きはしてなかったから微妙だな」
「努力系かよ?余計に苦戦の予感だぜ」

 そして数分後――そこには。

「フハハハハハ!どうだ俺達の完璧なコンビネーション!!」
「ざっけんなコンニャロー!!こっ、こんな卑怯な手ぇ使うとかそれでもヒーローかよッ!?」
「そんな事よりこれ、ちょっ、動けねえんだけど!?あっつ、おっも、むっさ!?」
「くくく……良い様だなヴィランが!俺も動けんがな!!という訳で峰田もぎもぎ取ってくれ!!」

 もぎもぎと連結した十手によって床とくっつけられた切島と、全身にもぎもぎを装備した水落石に抱き着かれて完全拘束された瀬呂、そして意気揚々と核ミサイルをタッチする勝ち誇りすぎで腹立つ顔の峰田の姿があった。

『……これはひどい』

 ヒーローチームの勝利宣告より前にオールマイトが呟いたのは、その光景を見ていた全員が思ったことだった。



 時を遡り――開戦当初。

 核兵器の部屋の場所を特定した水落石は隣の部屋から外の僅かなでっぱりを伝って内部を観察。二人が部屋の中で迎撃準備をしているのを確認した水落石は、かねてより峰田と共に計画していた作戦を実行した。

 まず、水落石が十手を持って真正面から切島に喧嘩を売る。

「来いや切島ぁ!!一騎打ちだ!!」
「来たかよ、水落石!!受けて立つぜぇ!!」

 そしてさり気なく瀬呂との間に切島を挟むように立ち回り、十手の切っ先にくっつけたもぎもぎを切島にぶつける。すると驚異の粘着力でもぎもぎと十手が固定される。

「効かねえぜこんな……ってアレ?なんだこれ取れねえ!!」
「かかったなアホが!それは峰田の超粘着物質よ!!そして実は十手の柄の下にもくっついてたりして。そしてその粘着物質が現在進行形で床にくっついてたりして!!」
「うおおおおお!?ゆ、床にくっついて取れねえ!?」
「今やお前はリードで縛
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ