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ドリトル先生の名監督
第五幕その七
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「ああしたことがあったから」
「そうだよね」
 ジップもポリネシアの言葉に頷きます。
「そう言われると」
「そこ大丈夫かな」
 トートーも首を傾げさせます。
「あの人達に任せて」
「そこはどうなのかしら」
 心配性というかお節介なところのあるガブガブも言います。
「正しい稽古を間違ってしていない?」
「けれど先生はそれを確かめられないし」
 ダブダブも言います。
「そして言うことも出来ない」
「果たしてどうすべきかな」
「今回はね」
 チープサイドの家族も言うのでした。
「何かいい知恵があるかな」
「具体的な」
「それが問題だけれど」
 老馬も考えるお顔になっています。
「果たしてどうしたものか」
「先生何かある?」
「こうした時こそ先生の知恵が必要かも知れないよ」 
 オシツオサレツは先生に尋ねました。
「一体ね」
「どうしたものか」
「そうだね、ここはね」
 先生は考えるお顔になってです、こう言いました。
「本かな」
「本?」
「本っていうと?」
「それ何なの?」
「どうしたの?」
「いや、お相撲の本を色々と買って」
 そうしてというのです。
「相撲部の皆に読んでもらおうかな」
「具体的な稽古の本も」
「それをなんだね」
「それで相撲部の皆にチェックしてもらうんだ」
「その本を読んでもらって具体的に」
「そうしてもらうんだ」
「そう考えたけれど」
 先生はまた皆に言いました。
「どうかな」
「つまり本を読んで自習だね」
「時分で勉強するんだね」
「それで相撲部の人達にわかってもらう」
「具体的な稽古の中身も」
「自分達の稽古の何処が問題かを」
「うん、それと古今の力士さんのことも勉強してもらって」
 そしてというのです。
「そのことも活かしてもらおうかな」
「そうするんだね」
「ここは」
「お相撲の本を買うんだ」
「そしてそれを読んでもらうんだ」
「そうしようかな、それに本に」
 さらに言う先生でした。
「インターネットでもね」
「お相撲のことを調べて」
「それを相撲部の皆にも見てもらうんだ」
「そのうえで勉強してもらう」
「そちらもしてもらうんだね」
「僕も調べてね、そういえば」
 先生の頭が動きます、やっぱり本とかこうしたことになると先生の冴えは凄いです。学問となると本当に頼りになります。
「大学の図書館にもお相撲の本はあるね」
「ああ、あそこにもだね」
「お相撲の本あるんだね」
「そうなんだね」
「体育学部の方にもね」
 八条大学のです。
「うちの大学の体育学部は学術面でも充実しているからね」
「近代的なスポーツだね」
「精神論だけじゃなくて」
「スポーツを科学的にも考えている」
「それでなんだね」

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