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第五十六話その2 交渉は「順調」に進んでいます。
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今回の和平交渉に際して両国が当初提示した草案の一部をそれぞれここに示しておく。


帝国草案――。

第一条 自由惑星同盟ヲ称スル反乱軍ハ帝国ニ全面降伏スベシ。
第二条 自由惑星同盟ヲ称スル反乱軍ハ一切ノ武器ヲ所有スル事ヲ禁ズ。
第三条 自由惑星同盟ヲ称する反乱軍ハ一切ノ財産ヲ所有スル事ヲ禁ズ。但シ生計ヲ営ムニ最低限度必要ナ財産ヲ除ク。
第四条 自由惑星同盟ヲ称スル反乱軍ハ武装解除ノ後、向後一切ヲ帝国代官ノ指示ニ従ウ。
第五条 自由惑星同盟ヲ称スル反乱軍ノ「議会」ナルモノハコレヲ永久ニ解散ス。

まだまだ続くが、帝国の示した草案はこのように苛烈なものであり、提案でもなく一方的な宣言であった。到底受け入れられるはずもなく、同盟側の答えはすべて否であったし、帝国側もそれを承知していることであった。これはいわゆる「パフォーマンス」であり、一部の帝国同盟双方の首脳陣の間ではすでに打ち合わせ済みの事でもあったのである。いわば帝国の「当初は降伏勧告にやってきたが、慈悲深い皇帝陛下の勅命によって和平を打ち立てる方針に切り替えたのだ。」というメンツを立てたのだった。
 帝国としては第二の草案を用意していたが、その前に同盟側から提示された案を検討することとなった。

自由惑星同盟和平草案――。

第一条 自由惑星同盟ト銀河帝国ハ期限付キ和平ヲ結ブモノトス。但シ、双方ノ同意ニヨリ期限ハ延長サレルモノトス。
第二条 自由惑星同盟ハフェザーン回廊及ビイゼルローン回廊同盟側出口以降ヲ同盟領トス。但シ既ニ帝国管理下ニ有ル惑星、衛星、要塞ソノ他之ニ類スルモノハ帝国ノ支配下ニアルモノトス。
第三条 帝国ハ自由惑星同盟ニ対シ第二条ノ惑星ソノ他資産ニ対スル代価ヲ支払ウモノトス。
第四条 双方ノ捕虜ハ全テ火急的速ヤカナ措置ヲモッテソレゾレノ領国ニ送還セシメルモノトス。
第五条 帝国同盟双方ノ軍備ハ之ヲ一定制限ノ下ニ置クモノトス。
第六条 自由惑星同盟市民ノ財産権利ニツイテハ帝国ハ之ヲ保証スルモノトス。
第七条 帝国自由惑星同盟双方ノ領内通行ニツイテハフェザーンノ仲介ノ下之ヲ認メル。

 以下まだまだ続くが、要するに自由惑星同盟側は恒久的な和平ではなく期限付き和平を提示する道を選んだのだった。但し、双方の同意によってはこれが更新される可能性を残したものである。上手くすれば半永久的な和平が実現するかもしれない。また、イゼルローン、フェザーン両回廊を隔てて帝国同盟双方を相互不干渉とすることで、これ以上の領地浸食を防ぎ、一応のケリを付けたいという思惑もあった。軍備の一定制限というのは、帝国同盟の戦力差が現状では大きいものであり、これを抑制することで戦力バランスをほぼ等分に持っていきたいとの思惑がある。もっともこれについては難航するだろうと首脳陣の誰しもが思
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