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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
朔月
序章
第四九話 復活の剣鬼
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撃級には照準を少し置く感じだ。

『ほう……ジャパン・インペリアルは近接戦闘(インファイト)だけではないという事か』

 Mk-57のマズルフラッシュ、いくつもの砲弾がBETAの群れへと向かう。そして着弾のたびにBETAの大群の動きが淀み、そして流れを変えられていく。
 まるで氾濫した河川に一石を投じその流れを変えているかのように、戦車級を薙ぎ払う合間に撃破する要撃級や突撃級の死骸の防波堤により敵の大群は否応なしにその流れを変えられる。

 今まで使用したことが無いどころか、機体とのマッチングすら調整されていないその特性を初見で見抜き、数射の合間に調整すら終えて使いこなして見せる―――紛れない精鋭の証だ。

『その隙は逃さんっ!!』

 蒼の瑞鶴が跳躍が跳躍、銃弾の雨を降らす。大型種の死骸を乗り越えようとした戦車級が次々と肉片(ミンチ)へと弾け飛ぶ。

『――――甲斐ッ!!』
『了解したッ!!!』

 続けざまに突撃砲から120mm砲を放つ、それは地面に突き刺さり爆散―――戦車級の赤一色の絨毯に穴をあけた。

『はぁああああああああああああっ!!!』

 其処へ白き鋼が突撃、長刀で地面を掃いた。枯れ葉の様に舞う戦車級、それは追撃の刃により一閃―――無害な肉の塊へと両断される。

『ぬぅう……イャアアアアアアアアアアアアアッ!!!』

 白を追う蒼、肩に担ぐように構えられた長刀が着地に合わせて墜落とも思える勢いで振り下ろされ―――そして降りきった所で90度曲がり、其処から円を描くように振るわれた。

 旋風、BETAの死肉と体液がそれが可視化させる――――元々、剣の攻撃判定は線だ。その角度を変えることにより、面の攻撃へと変わる。
 だが、口で言うほど簡単ではない。敵に近づくということは視界外範囲が増大するという事であり、視界外の部分を補える能力が無ければただの自殺だ。


『剣鬼、完全復活と言うところかな?』
『まだまださ。何せ今日が初めてだからな。』

 背を合わせる二機の瑞鶴、剣戟を極限まで極めた二人。旧式である機体を完全に手足のように操っている。
 其れもそのはず、彼らは大陸から日本での絶望的な戦況をこの機体で潜り抜けてきたのだから。

 こんなのは生ぬるいくらいだった。



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