暁 〜小説投稿サイト〜
DQ5〜友と絆と男と女  (リュカ伝その1)
43.家族を守る為ならばエゴイストになれる。危険な思考だけど。
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
!ここを立ち去るのは、待ってもらおうか!」
見渡すと、ガラの悪い男達10人程が俺の行く手を遮っている。
「何ッスかぁ?」


<試練の洞窟>
カンダタSIDE

俺達の前に旅人風の男が立ち尽くしている。
「何ッスかぁ?」
危険な洞窟の最深部で、屈強な男共に囲まれているのに、緊張感の無い喋り方をする男だ。
「あ!?もしかして…アンコール希望ですか!?う〜ん、忙しいので1曲だけなら披露しますけど…」
何なんだ、この男?馬鹿なのか?

「ちげぇーよ!あんたにその証を持って帰られると、困る人がいるんだよ!」
「そう!然る止ん事無い方からの依頼で、オメーを殺しに来たんだよ!」
この馬鹿共…ベラベラと…
「うるせーぞ!テメーら!!余計な事言うんじゃねー!」
俺は一喝して、手下共を戒める。

「あの〜…」
男が緊張感無く話しかける。
「おサルさんがどうしたんですか?」

「…は?」
この馬鹿は何を言ってんだ?
「イヤ…さっき、サルがどうのって…」
()()(こと)()(かた)だ!誰も動物のサルの事なんか言ってねぇ!」
「あぁ…で、僕を殺して何になるんですか?」
「オメーが王様になるのを阻みたいんだよ!」
やはりこの男は馬鹿だ…

「馬鹿だなぁ、君達は…」
な!
こいつに馬鹿って言われた!
「僕の奥さんは妊娠中なんですよ。僕が死んでも、男の子が生まれたら無条件で王様じゃないですか。君達のやっている事は全くの無駄だね!」
「だったら、オメーの嫁さんとガキも一緒に始末すればいいじゃねぇーか!」
「がははは、ちげーねぇー!」
手下の一人が言った言葉に、他の手下が爆笑をした瞬間、男の姿が消え手下共の首から大量の血が噴き出した。
俺の足下に手下の頭が転がっている。
切断された事にも気付かず、大爆笑をしたままの顔で…
い、何時の間に…!?

振り向くと、あの男が先程と変わらぬ優しげな表情で俺を見つめている。
敵や官憲に取り囲まれた時も恐怖しなかった俺が、手下共の返り血を大量に浴び、優しげに微笑む一人の男に震え上がっている。
強い…こいつには勝てない…何とか逃げないと…
「ま、待て…俺の、こ、降参だ!もう、あんたに手出しはしないし、あんたの家族にも近づかない!約束する。本当だ!!」
俺は武器を捨て、両手を上げて見せる。

「黒幕は?」
声だけ聞くと、まったく怒りを感じさせない声で問いただしてくる。
「知らねぇーんだ…本当だ!顔も素性も隠して接触してきやがったんだ」
「なるほど…君を信じよう…」
ほっ…助かった…

「じゃぁ…もう君は、生きている必要無いね」
「え!?」
「だって、何も知らないんでしょ?役に立たない!」
「待ってくれ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ