暁 〜小説投稿サイト〜
IS 輝き続ける光
終着と始発
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て苦しみ藻掻いてその内動かなくなった。鼻に肉が適度に焼きあがっているかのような臭いが突く。

「ふぅ……こんなもんか。まあ死んじゃいないだろう」

一夏は背後で声がしたので体を捩ってなんとかそちらを向くとそこには艶やかな長い黒の髪をゴムで縛ったスラッとした長身で瞳は美しい蒼い色をしている男がいた。一夏はそんな男が現れて何が起きたが解らなかった、一体何者なのかと思っても何も解らない、その男は指で一夏を縛っていたロープを撫でるとロープは撫でられた部分だけが燃えて一夏は開放された。一夏は自分を縛っていたロープが、いきなり発火したことに驚いた。

「大丈夫かい?」
「は、はい……」

一夏は少し驚きながらも己を助けてくれた男に心から感謝していた。殺されそうになっていた所を救ってくれたのだから。

「で?君は何でこんな事になったんだ?偶々俺が物音がしたから来たから良かったけど、コイツらの話を少し聞いたけど普通の拉致監禁っぽくはなかったけど」
「……それは……」

口を閉じた、言って良いのか解らなかった。言ったとしても如何なる?言っても意味がないと思ったが男は自分の方に優しく手を置いて、大丈夫だから言ってみろといってくれた。絶望しきっていた彼の優しげな言葉はゆっくりと一夏の心を溶かすように暖かいものだった。

一夏は自分が織斑 千冬の弟であり姉の出場辞退を目的にした誘拐された事、だが姉は自分を捨てて出場し地位や名声を選んだことを伝えた。それを聞いた男は驚きと怒りを示した。

「なんて事だ、悪いけど、君の姉、織斑 千冬は巫山戯ているな。自分の家族より地位や名声を選んだという訳か……で君はどうしたい?俺なら君を家に戻す事も出来るがどうする?」

一夏は自分の家には戻りたいとは思わなかった。戻ったとしてもどうせ今までの生活と変わる事は無いと思った。また何時も通りの毎日が始まる、学校で苛められ、馬鹿にされ、姉の面汚しといわれる。そして何より自分という家族よりにも、名声を選んだ姉と今までと同じように生活が送れるとは思えなかった。

「僕は……戻りたくない……自分が何をしているのか教えてくれない、相談しても私の弟だから大丈夫だっとしか言わないあんな奴の所なんか……」
「そっか……じゃあ俺の所に来るか」

その言葉は一夏にとって救済その物だった。一夏は男の顔を凝視した、変わらず男は笑顔のままだった。

「い、いいんですか……!?」
「ああ勿論だ、でも此所とはまったく違う世界だし危険な世界だぞ?」
「それでも良いんです!僕は……この世界が嫌なんです!」
「解ったじゃあ行こうかえ〜っと……」

男は一夏の顔を見て硬直する、一夏は首を傾げて男の行動の意味に気づいた。

「あっ僕の名前は織斑 一夏って言います!」
「一夏か
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