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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第四章 魔族の秘密
第51話 魔族の謎
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人間の国に連れていかれる前の日常が、戻ってきた。
朝に起きると、魔王とカルラがちゃぶ台に座っていて。
魔王の足を施術して、ルーカスたちと食事を取って。
治療院に行って、ひたすら施術をして、弟子を指導して。
充実していた。満足だった。
この日々は、そんなに長く続かない――
それはもちろん、知っていたけど。
***
うつ伏せになり、ぼくは目を瞑っている。
今ぼくは寝ているはずだ。
どうやら夢の中でその状態になっているようだ。
しばらくすると、肩と腰にて同時に施術が始まった。
二人から同時に施術を受けているのだろうか。
施術する夢は今まで腐るほど見たことがあるが、される夢は……記憶の限りではないと思う。
なぜ、こんな夢を見ているのだろう。
肩は上手い。
決して強くはないものの、しっかり奥まで届いている。
とても気持ちよい。
腰のほうは……凄まじく下手だと思う。
体重が上手く乗っていないため圧はぼやけてしまっているし、押しているポイントもズレている。施術自体は何がしたいかわからないほど酷い。
だが決して、触られていて不快ではなかった。
……。
あ、夢から覚めてしまった。
ぼくはうつ伏せだった。
そのままの態勢で、顔をわずかに前方に上げてみる。
そこにはあまり大きくない太ももがあった。
「あー、マコト起きた」
頭上から声。カルラだ。
「あれ? カルラ様ですか? おはようございます?」
「おかあさまもいるよー」
首を左に回してみる。
すぐ横に、ぼくの腰へと手を当てている魔王の姿。
「あらま、おはようございます」
「フン。おはよう」
「なるほど。腰は魔王様でしたか。どおりで下手――」
「死ね」
「うがぁっ!」
思いっきり力を入れられてしまった。
「イテテ……でもなんで? いつもならちゃぶ台でお茶飲んでるのに」
「フン、お前はいつもマッサージしてやる側だろ。いつもそれじゃ気の毒だと思ってな」
「そうなんですか。見かけによらず優――」
「死ねえええ!」
「うわああっ!」
しまった。一言余計だった。
「あ、いつも『してやる』なんて思ってないですからね」
「どういうことだ?」
「学校で教えてくれた先生が言ってたんです。施術は『させてもらう』ものだって」
それは専門学校の実技の授業で、最初に教わったことである。
「ふーん……」
「ボクはマコトからいつも聞いてるよー。『一番大事なことだ』って」
「お前、そんなことを弟子に教えてるのか」
「そうですよ。本当に大事ですし」
施術自体は基礎さえしっかりしていれば、
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