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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第二章 魔族YOEEEEE
第17話 魔国の兵士
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び、視察及びヒアリングもおこなっているらしい。

 二か月データを取って効果が確認できたら、他の師団にも声をかける予定だとも言っていた。
 その頃には、新しく入った四人の弟子も戦力になっているはず。
 ペースとしては問題なさそうだ。

 兵士の第一印象であるが、「活力がない」に尽きた。
 体は屈強でも、精気が感じられない。本当に志願して軍に入ったの? と疑うレベルだ。
 敗戦が続いている国の軍はこんなものなのだろうか?

 ――うちの施術で何か良い変化が出ればいいな。

 本心からそう思う。
 そして魔族の危機的な状況とやらも少しはマシになれば、施術者としてこんなに嬉しいことはない。



 こうして、ひたすら診療時間には既存患者と兵士をモミモミ。
 診療後には弟子の指導、たまに魔王城百階に呼び出されて魔王をモミモミ。
 そのような毎日が続いた。



 ***



 そして二か月ほど経ったある日――。



 さて……。
 今朝も寝坊することなく目が覚めた。

 いつも通りの一日が始まると思って起き上がる。
 ちゃぶ台に魔王が……あれ? 居ない。
 カルラが一人でお茶を飲んでいる。

「マコトおはよー」
「おはようございます。魔王様がいませんね」
「うんー。今日は午前中から忙しいみたいだよ」
「へえ、そうなんですか」

 いないならいないで別に困ることはないが、理由は少し気になる。
 そこにルーカスがややシリアスな顔で登場した。
 なんだろう。

 二か月経ったので、次は別の師団に通院を勧めるとか、そんな話だろうか?
 でもそれならいつものニヤニヤ顔だよな……。
 いつもと違う顔だと、こちらも構えてしまう。

 彼は朝の挨拶を交わすと、意外なことを言いだした。

「マコトよ。今日は魔王城で会議がある。お前も一緒に来て欲しい」
「え? 会議に?」
「うむ。お前は奴隷だが、立ち位置が特殊だ。聞いておいたほうがいい」

 また急な。

「むー……治療院はどうしようかな」
「カルラ様はもう施術できるようになっているのだろう?」
「うん。もう一人で施術をお願してるよ」
「なら今日は治療院をお任せできないかな?」

 二人でカルラのほうを見てしまう。

「ボク不安だけど多分だいじょうぶだよー」

 ニコニコしながら彼女はそう答える。
 不安だが大丈夫というその意味は謎だが、彼女に技術的な心配はない。

 もちろん、症状別の攻め方など、知識的な部分はまだまだではある。
 しかし施術自体は非常に上手だ。
 通常の患者さん相手にトラブルは発生しないはず。

「では今日はカルラ様に治療院をお任せします。難しい患者さんに対しては
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