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とある科学の捻くれ者
11話
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確かに届いた。


***

天に昇る摩天楼の上からその光景を見下ろす人影があった。

「ーーーあぁよく知ってるさ。」

目を閉じる。真っ黒で何も見えない。見えるのは自身のまぶたの裏側だけだ。

目を開く。


「よく、知っていた」


その男のつぶやきは誰にも聞かれる事はなかった。

***


神裂の機械のような態度はそこにはもうなかった。彼女は人間だ。ちゃんと感情がある。機械のように冷徹にはなれても機械にはなれない。故に、神裂の心は溶けた。

「うるっせぇんだよド素人が!!!」

刀が触れた先から爆発する。それを上条は死に物狂いで回避する。

「私がどんな気持ちであの子の記憶を奪ってきたかっ!!!ステイルがどんな気持ちであなたたちを見ていたか!!!わかりますか!!」

「インデックスは返してもらいます。」

そこには感情とは裏腹の冷徹な顔があった。譲れない意思があった。

(やっぱり強ぇ!!全然歯がたたねぇ!!!だけど)

だが、上条当麻にも譲れない意地がある。ここでは絶対に折れるわけにはいかない。その感情はひどく独善的だ。だけど、それでもーーーー

「テメェは!!!力があるから仕方なく人を守ってんのか!!!そうじゃねぇだろ!!」

上条当麻は想いをぶつけるのだ。この拳に乗せて。

「守りたいものがあるから力を手に入れたんだろうが!!!!!」

だけど、もうそんな力は残っていない。残ってる力も、せいぜい神崎の脚をつかむ程度だ。

「あんたは俺と違って力があるじゃねぇか!!!そんな力があればっっ誰だって!!!何だって守れるのに!!!」

上条当麻の悲痛な叫びが、想いが、神裂の心につきささる。

「あんたはなんのために力をつけた?その手で誰を守りたかったんだ?」

そして、その痛みをごまかすかのように、上条当麻に刀を振るうーーーーー

「おい。ストップだ止まれ」

その前に、目の腐った男が現れた。




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