第20話 オハラからの脱出
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オハラの図書館へと向かっている途中で出会った、クローバー博士と見知らぬ女性。彼らとと共に目的地であるオハラ図書館へと走りながら、今起きている事情を当事者であるらしいクローバー博士に簡単に説明してもらった。
「つまり、世界政府が調べてはいけないと禁止している過去について、図書館の学者たち皆が暴こうとしたからこんな事態に?」
世界政府については、オハラ図書館へ通っている間に学んだ常識として、ある程度は知っていた。けれど、まさかその組織が今回の事に関係しているとは予想していなかった。
世界政府は、このワンピースの世界では多くの国を取りまとめる世界的な組織であり、加盟国は170カ国以上と言われているらしい。だから、そんな大きな組織となれば知られたくない事、知られてはイケナイ事なんと沢山あるかもしれない。
けれど、それだけで世界一と言われている貴重な図書館を燃やして破壊したり、知識人である学者たちをまとめて亡き者にしようとしたり、果ては島一つを消そうとするなんて、内容を聞いた俺は唖然としてしまった。
「世界政府の、奴らにとっては、それだけ、知られては不味い、事なんじゃろう」
老人であるクローバー博士は、図書館までの短い距離でも走ったことで息を切らせてしまい、言葉はとぎれとぎれにさせながらも、力強くそう結論付ける。
「知られては不味い事でも、過去を隠そうとすること、そして調べることを禁止するなんて、世界政府の奴らは傲慢にすぎるわ」
今までクローバー博士の後ろで黙って走りながら付いてきた女性が、クローバー博士の意見に付け加えるように、そして忌々しそうに言葉を吐いた。
***
直ぐに図書館の前に到着すると、先に図書館へと向かわせた天龍と夕立が、学者たちと一緒に本を大量に抱えて外へ運びだしているのが見えた。どうやら、燃えている図書館から本を退避させる手伝いをしているようだった。
男が一人、クローバー博士の下に走り寄って来て、状況を説明してくれた。
「クローバー博士、ご無事でしたかッ! こちらは駆けつけて来てくれた天龍さんと夕立さんの二人が助けてくれて、Aランクに指定してある貴重な本は全て退避させる事が出来ました! ただ、中にはまだBランクの本が1割程残っています。その他、Cランク以下のモノも大半が残ったままです!」
「……そうか、報告ありがとう。Aランクが全て残せたのは僥倖。引き続き、残りの本の持ち出しを急ごう! すまないが、提督殿に彼女たちも引き続き本の退避を手伝って頂けないだろうか?」
こちらに伺ってきたクローバー博士に対して、俺は即答する。
「手伝いましょう。天龍と夕立は、そのまま彼らの作業を手伝ってくれ。吹雪は舞風は、俺と一緒に行こう」
「オウ」「分かったっぽ
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