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つま先立ちの恋に慣れたら
誰にでも
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【怜治(高校生)×奈々(高校生)、公認で付き合っています】
 タイム計測会で全国各地から代表校が集まったときのこと。陸は奈々に話しかけようとして、近づいたが、よく見たら彼女の頬になにかついていることに気がつく。

 「桜井さん、ここ、なにかついてるよ?」
 「え、ありがと!」
 
自分のほほを指さすと、奈々もそれにならい同じところを取ろうとする。しかし取れていない。

 「うーん・・・取れてないなあ」
 「取っていいよ!」
 「!わかった、ちょっと目つぶってて」
 「はい!」

 まじか・・ラッキー!でもちょっと緊張するなあと思いつつ、陸は奈々の頬についているものを取った。

 「ん!取れたよ」
 「ありがと!今日鏡もってくるの忘れちゃったんだ〜助かった!」
 「どういたしまして!」


 計測会会場に西星学園も来ており、怜治も他校の選手の走りを見て闘争心がを燃やしていたところ、ふと目を違う方にやると、奈々と陸が何か話している。すると、陸が奈々に近づきすぎているではないか。奈々の後ろ姿しか分からないのではっきりしないが、まるでキスしているような2人の姿に、怜治は少し不機嫌になった。

 「・・・怜治様?」
 「ちょっと外すよ」

 不思議そうな静馬を横目に、奈々が一人になったのを見計らって、彼女の方へ向かうと、こちらに気づいて大きく手を振り、満面の笑みで迎える。

 「怜治さん、お疲れさまです!」
 「うん、おつかれさま。ちょっといいかな?」

 にこにことしながら、こっち、と手を招いて、人目のつかない裏側へと連れていく途中、陸たちと目が合った。さっきのおかげで気が立っていた怜治は、陸に黒い微笑をおくった。それを見ていた方南一行は背筋が凍り、陸はひざが震えた。

 「怖!なんだあの笑顔、お前見たよな?」
 「・・・なにかやらかしたんじゃないのか」
 「なんもしてないって!」
 「自分ではそう思ってなくても、他人は違う受け取り方をするときがあるから、人間とは全く怖いものですなあ、小日向氏」
 「門脇氏、拙者もそう思うでござるよ」
 「同情するぜ・・・桜井」
 「・・・・・だからなにもしてないですってば!」

 方南メンバーの白い目を一身に受け、陸は居心地が悪くなったが、とりあえず心の中で奈々に謝った。

(何か分かんないけど・・桜井さん、ごめん!)



 「怜治さん、どうしたんですか?」

使われていない個室のドアの鍵を閉めて、奈々の方へ向き直る。奈々は怜治の黒いオーラに気づかず、状況をよくわかっていないようだ。

 「さっきの、見ちゃったんだ」
 「さっき?」
 「八神と何かしていたよね?」
 「八神くん・・・・?」

 一体何のことだろうと、
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