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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜番外編 語り継がれなかった軌跡篇
外伝〜”嵐の剣神”誕生秘話〜後篇
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〜東クロスベル街道〜



「(こうして対峙しただけでもわかる……ユン老師―――いや、それ以上の相手だ!)風よ、我が力となれっ!!」

セリカが無意識にさらけ出している膨大な威圧をその身に感じ取るアリオスは最初から全力で戦う為に気功技――――軽功によって風の力を己の身に宿した。

「なっ!?戦闘開始早々アリオスさんが気功技を使うなんて……!?」

「アリオスさんが全力で警戒する程の相手なのか……」

最初から全力でセリカと戦うつもりのアリオスの行動を見たリンは驚き、ヴェンツェルは真剣な表情になり

「フェミリンスの件といい、エステル、お前は一体どうやってあんな”格上”と同等に接する事ができる上、その本人達もその事を当然の事と受け止めているんだ……?」

「アハハ、自分でもわかんないわ。」

「フフ、貴女らしいですわ。」

スコットに疑惑の目で見つめられたエステルは苦笑いし、フェミリンスは微笑みながらエステルを見つめていた。

「クッ………さすがはこんな可愛い二人を侍らしているだけはあるわね……!」

「というか普通に疑問なんじゃが……」

「どうしてエオリアさんは私達を抱きしめながら観戦しているんですか?」

エオリアに左右にそれぞれ引き寄せられて抱きしめられているレシェンテは呆れ、リタは苦笑しながら疑問を口にした。



「そんなの2人が可愛いからに決まっているじゃない!!特にリタちゃんとはまた会えるなんて、本当に嬉しいわ♪しかも新しい可愛い娘と一緒に来るなんて!エステル、よくやったわ!」

「ア、アハハ………リタはたまたまクロスベルにいただけだし、レシェンテまで来る事は予想していなかったから褒められても困るんだけどなあ……」

「アナタねえ、少しはその性格を何とかできないの?」

目を血走らせて叫んだエオリアの様子にエステルは冷や汗をかきながら苦笑し、ミシェルは呆れた表情で溜息を吐き

「ミシェル!レシェンテちゃんとリタちゃんは絶対に!私達のサポートよ!」

「絶対にお断りじゃ!わらわ達の身が危なすぎる!」

「アハハ……”幽霊”の私を怖がらず普通の人達に接する態度と同じ態度で接してくれる事は嬉しいですけど……さすがにこれは困りましたねえ。」

そしてエオリアの叫びを聞いたレシェンテは身体を震わせながら叫び、リタは冷や汗をかきながら苦笑していた。



「二の型――――疾風!!」

一方気功技で自らを強化したアリオスは電光石火の速さでセリカに先制攻撃をしかけた。東方独特の剣――――”太刀”の刃がセリカに迫ろうとしたが

「沙綾――――身妖舞!!」

刃が自分を襲う瞬間、セリカはまるで舞うかのような動作で高速に剣を振るってアリオスの太刀を受け流す
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