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とある科学の捻くれ者
9話
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ーーある男は虐げられた。






無能力というだけで苛められ、金を取られ、友達だと思っていた人にも裏切られた。嘲笑され、蔑まれ、殴られ、見放され、もう居場所なんてものはなかった。









ーーある少女は劣等感に苛まれた。

友達が次々と能力が開花していく中、自分だけが無能力のまま。少女の友達は皆優しかった。かけられるのはこちらを気遣う言葉ばかり。いや、違う。少女にはそれがすべて同情の目に見えた。







自分に価値なんてない。自分に才能なんてない。同情されたくない。虐げられたくない。劣等感に苛まれたくない。
妬ましい。妬ましい。妬ましい。














そして、少年少女達はーーーーーー


















「き、君は」

現れた男は目が光が宿っていなかった。見つめるとそれはまるで自分の心をそのまま映し出されたような、そんな錯覚を覚える。

「こいつの核を破壊すればいいんだな?」

「あ、あぁだが、やつの核を貫くには生半可な火力じゃ...」

それに八幡は相変わらずの猫背で...だが今回はーーー

「ーーー何が悪い。」



手をかざす。


「ーーーふざけるな。一からやり直せ。反抗期共が」

瞬間、小さく、鋭い風切り音とともに幻想猛獣に穴が空いた。

「ーーーえ?」

しん とあたりが静まり返った。初春が助力し、御坂など警備員が多数協力して、最後にこの少年がとどめを刺しただけだというのはわかっている。だけど、あまりにもあっけなかったのだ。まるで自分達が苦労していたのが馬鹿みたいな。木山は固まって動けなくなる。そんなことはつゆ知らず、八幡は倒れた御坂の元へ向かっていた。
そして、鳴り響く核の割れる音が聞こえて、やっと木山は我に帰ることができた。

「おい、御坂起きろ。」

ぺちぺちと八幡が御坂の頬を叩くが一向に反応を見せない。

「おい、第3位、超電磁砲、電撃姫、百合っ子、ビリビリ」

「誰がビリビリだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

バーサーク御坂、復活である。

「おぉ、本当にビリビリしてるな。」

「てか、ちょっと待て!!ビリビリの前の百合っ子ってなんだ!!百合っ子って!!私は百合じゃないわよ!!!」

「いつものお前と白井を見てると百合としか思わないまである。」

なんですってぇ!! と言い合いするのを見て、木山は毒気が抜かれるのを感じた。

(全く、なんにせよ終わったんだしよしとするが...それにしても)

「どんな能力を使ったらこうなるのかね」

木山の前には原型を保った幻想
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