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ドリトル先生の名監督
第二幕その九

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「とにかく素早くて」
「褒めなくていいのよ」
「鼠の僕には有り難くないことだよ」
「というか生活自体がだよね」
「猫のね」
 オシツオサレツが言うには。
「柔軟体操みたいで」
「スポーツみたいなもので」
「余計に身体が柔らかくなる」
「そうなのかもね」
「ううん、人だと柔軟体操をするけれど」
 また言った猫又でした。
「猫は猫の動き自体が柔軟体操で運動なのかもね」
「元々身体が抜群に柔らかいしね」
 先生もここで猫又にお話します。
「そこでそうした動きや生活だから」
「余計になのね」
「猫は身体が柔らかくて素早いんだ」
「そうなるのね」
「怪我も少ないしね」
「いやいや、猫怪我するわよ」
 猫又は先生にこのことを言いました。
「油断してたら」
「それはそうだけれどね」
「擦り傷とか捻挫とか骨折とか」
「色々あるね」
「交通事故もあるし」
「車が一番怖いね」
「猫にとってはね、けれどね」
 ここでまた言った先生でした。
「一つ気になることがあるんだよ」
「気になること?」
「うん、実はうちの大学の相撲部の怪我人が最近多くてね」
 先生は猫又にもこのことをお話します、猫又は今は人間の姿をしていて和服の上に割烹着ですが仕草は何処か猫的です。
「気になっているんだ」
「ふうん、そうなの」
「結構ね」
「どうした怪我なの?」
 猫又は先生に具体的な怪我の内容を尋ねました。
「それで」
「いや、それがね」
「それが?」
「色々なんだ」
「擦り傷、打ち身、捻挫」
「骨折もあって」
「あら、色々なのね」
 猫又はここまで聞いて言うのでした。
「それはまた」
「一つじゃないんだ」
「ちょっとどうしたものかな」
「先生としては怪我人がいない方がいいわね」
「スポーツをしているのなら」
 先生はスポーツはしませんが観戦する立場として言うのでした。
「怪我がないに越したことはないから」
「だからなのね」
「うん、怪我が多いから」
「それを何とかしたい」
「そう思っているんだ」
「それならね」 
 猫又はここまで聞いて先生に言いました。
「先生ご自身がね」
「相撲部の人達に聞くべきだね」
「そう、直接ね」
「原因を聞く、だね」
「怪我のね」
「うん、僕はお医者さんだしね」
 ご自身のお仕事のことも思い出すのでした。
「それならね」
「そうよ、患者の病気や怪我の原因を聞くでしょ」
「これまで皆稽古中の怪我って言ってたけれど」
「その稽古、部活に原因があるでしょ」
「確かにそうだね」
「だったらよ」
 それこそというのです。
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