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百人一首
39部分:第三十九首

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第三十九首

               第三十九首  参議等
 どうしてこうなってしまったのか。どうしてここまで思いつめてしまうのか。
 自分で自分がわからなくなる程で。この気持ちに気付いた時にはもう遅かった。
 ふと小竹を見ればそれは伸びはしない。
 伸びずにそこにあるだけで。それは今までの自分と同じだった。
 じっと耐えていてそれだけで。気付いてからもじっと耐えてはきていた。
 けれどもうこの気持ちは抑えられなくなってしまっていて。遂には心を散り散りにさせて狂わせんばかりになってしまった。それを抑えたくても抑えることができずに身悶えさえしてしまうけれど。
 この気持ちに耐えることができない。どうしてこんな気持ちになってしまったのか。あれこれと頭の中で考えはするけれどそれでも。答えは出ない。出なくとも苦しみは続いていきどうにもならない有様で。ここでも己が狂ってしまうのかとさえ思ってしまった。
 自分の心がわからなくなって散り散りになってしまった心のままで彷徨い。その中で乱れた心に儚い気持ちになり。言葉は歌になって心から出た。

浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき

 恋は止まることはない。思えば思うだけその心を乱していく。その乱れてどうしようもなくなってしまった心を胸に抱いて今日もまた。一人辛い気持ちを乱れさせる。
 どうにもならないこの気持ちは抑えられなくなった。後はどうなるのか。それは全くわかりはしなかった。


第三十九首   完


                 2009・1・6

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