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ゲート 代行者かく戦えり
第一部:ゲート 開けり
我らレジスタンス組織「自由の民」
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特地のとある大きな洞窟で







 その洞窟はロルドム渓谷に存在した。
近くにはダークエルフの住まうシュワルツ森林や炎竜の住む洞窟などがあるため、「帝国」の民などは余程の理由が無い限り問題ごとを避けるためにここには近寄らない場所だ。
ゆえに「帝国」に逆らう者たちにとって、ここはまさに身を隠したり、拠点を設けるのにはうってつけの場所であった。


そもそもこの土地はエルベ藩王国という「帝国」の南方に位置し、「帝国」の傀儡国家である諸王国連合の一角を成す小国の国土の一部だ。
資源が豊富な国で、
国王も賢明な君主なのでかなり優れた国家だ。こうした経緯もあって「帝国」への反感はかなり根強いものがあり、かの国に反旗を翻る存在を匿う下地はかなり出来上がっていた。


「帝国」に対して反乱を企てる者は、
様々な理由から反逆者となって追われながらも多く存在した。その身分もかなり豊富で、逃亡奴隷もいれば没落した貴族などかつての支配層の人間もおり、また多くの亜人がそれに加わっていた。例えばヴォーリアバニー(首狩り兎)やキャットピープル、エルフやワーウルフ、それにハリョと呼ばれる混血児集団である。


特にヴォーリアバニーとキャットピープル、ハリョの3種族は、「帝国」に根強い恨みを抱いていた。
前者はその容姿から性的欲望の対象として人間に愛玩奴隷として扱われ、後者は混血児という出自ゆえ、どちらの親の種族にも受け入れられなかった者たちなので差別の対象として手荒く扱われていたからだ。他にも亜人の多くは自分たちの住処を帝国軍に破壊されたり、奴隷狩りが行われて戦利品の奴隷として「帝国」の貴族に売買されたりと、色々な酷い目に遭っていたので多くの反感を密かに抱いていた。






だが、そんな日々が続くかと思われた今から約4年ほど前の夏、この地に密かに小規模な空間の裂け目が生じ、そこを通って人の姿をした何か高貴な気迫を放つ存在が、近くで暮らしていたヴォーリアバニー達に接触してきた。彼らは自らを異世界出身の{英霊}(サーヴァント)と名乗り、彼女らにこう囁いた。


「我々がこの血に拠点を構えるのに協力してくれないか?
協力してくれれば「帝国」に打ち勝つ術を与えよう」と。


その言葉を聞いてヴォーリアバニーの女王テューレと専属部下のデリラは、彼らの言葉を鵜呑みには出来ず一先ず様子見をすることにした。
しばらくの間、サーヴァントたちは彼女たちに許可を得て周辺の森林を開拓したり、簡単な拠点作りを行っていた。やがてヴォーリアバニー達の中から彼らに接近する者もちらほら出現し、密かに交流が進んでいた。


そんな時にタイミングよく、皇帝の第1子であるゾルザル・エル・カエサル率いる奴隷狩り集団が現れた。彼はかねてより
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