暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1432話
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ラーという存在に対して恐怖を抱いているのか。はたまたそれ以外の何かの理由があるのか。
 正確な答えは分からないが、それでも向こうは姿を現さないのだから、俺が気にする必要もないだろう。
 結果として、シャドウミラーの認識では木連のトップが白鳥達という認識になるだけで。

「神楽坂さん!」

 ふと、別れの挨拶もそろそろ終わるかといったところで、そんな声が周囲に響く。
 誰の声なのかというのは考えるまでもない。
 皆の注目を集めたのだが、高杉自身は全くそれに気が付いた様子もなく神楽坂の前へと進み出る。
 神楽坂の方は、そんな高杉に向かって少し複雑な表情を向けていた。
 当然だろう。キッパリと振った男が、またもや告白をしかねないと思しき勢いで話し掛けてきたのだから。
 全員の視線を向けられているのにも気が付かず、高杉は小さく深呼吸してから口を開く。

「神楽坂さん。その……これから地球では戦いが続くと思います。神楽坂さんは強いと言っても、女性なのは間違いありません。くれぐれもお気を付けて!」
「え? あ、あー……その……」

 神楽坂は困った様子を見せながら、頬を掻き……やがて何故かその視線は俺へと向けられる。
 どうにかしてよ、と目で訴えてくる神楽坂。
 一度振った相手だけに、こうして自分の安全を祈られるというのは居心地の悪いものがあるのだろう。
 高杉も、現状で再び神楽坂に言い寄るのではなく無事を祈るというのは……白鳥の知り合いだけあって、性格はいいんだよな。……いい性格と性格がいいだと意味合いが大きく違うが。
 もっとも高杉をいつまでもこのままにはしておけないだろう。
 何故かユキナも興味深そうな視線を高杉に向けてるし。
 この辺、ユキナが子供でも……いや、子供だからこそ恋愛に強い興味を持っているって事なんだろうな。

「ワクワク、ワクワク」

 相変わらず自分の感情を擬音で表し、更にそれを口にするという癖は直っていないらしい。
 そんなユキナの視線が神楽坂へと向けられている中、助けを求められた俺はしょうがなく神楽坂の方に近づいて行く。
 正直、ここで口を出せば更に高杉の誤解……俺と神楽坂が付き合っているという、そんな有り得ない誤解を強めるように思うのだが。
 それでも助けを求められたのだから、放っておく事は出来ない。

「安心しろ、高杉。神楽坂はこの世界の住人を相手にしても全く問題なく倒す事が出来る」
「……ちょっと」

 うん? 今ので何か不満だったのか? 神楽坂は俺へと不満そうなジト目を向けてくる。
 だが、現状では特に何を言う気もないのか、不満そうな表情をしつつもそれ以上は言葉に出さない。

「……アクセル代表……神楽坂さんとお幸せにっ!」

 高杉の方も、俺を見てそう叫ぶ
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