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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第62話:情報と金は使い方が肝心。
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(グランバニア城・国王応接室)
ウルフSIDE

「さて……落ち着いた所で、君に頼みたい仕事のことを話そうと思う」
目の前に気まずい3人を見据え徐に切り出した……ユニさんのサンドイッチとコーヒーを食べながら。
まぁこの状況だから口を付けないと思ったんだろう。
俺もオジロン閣下のを貰うかな。

「マオにはホザックに行ってもらいたいんだよ」
他人(ひと)のコーヒーを飲みながら、本題を切り出したリュカさんを見る目は三者三様だ。
何故泥棒に仕事を頼むのか……何故泥棒を他国へ行かせようと思ってるのか……何故他人(ひと)の食い物を勝手に食うのか?

「………」「………」「………」
それぞれの表情でリュカさんを見詰め話の続きを待つ3人。
だがリュカさんは食べることに夢中になる……いや確かに美味いけどね、このサンドイッチ。

「リュカさん、話の続きを」
「え? あ、うん。」
何処までワザとなのか俺にも判らん。

「3人とも知っての通り、ホザックにティミーが行ってる。今まで国交を拒絶してたんだけど、先方から友好的外交を行いたいと打診が在って、王子で外務大臣のアイツを折衝させに行かせた。多分、国交開始になるだろう。でも奴隷制度を頑なに続けてる国だし、何時までも友好的外交が続くとは思えない。でも戦争はしたくないし、武力的威圧もかけたくない」

「つまり……私にメイドとしてホザックに潜り込み機密を盗んでこいと言うのね?」
ユニさんのコーヒーを飲み干し、カップをソーサーに置くリュカさんに、マオさんはストレートな意見で仕事内容を確認する。

「う〜ん……ちょっと違う。別にメイドじゃなくて良いし、機密を盗まなくても良い。具体的に言うと、メイドと決めつけないで国王や王子や高官等の愛人で良いし、機密を盗むんじゃ無くて確認して我々に知らせるだけで良い……盗んだとバレたら問題になる。戦争への口実を与えかねないからね」

「でもスパイになれって事でしょ」
「ザックリ言うとね(笑)」
盗むモノが貴金属か情報かの違いで、やることは同じだろう。

「でも機密を確認するだけで盗んじゃダメって事は、如何やってアンタ等に知らせれば良いのよ? 情報は鮮度が命なのよ……」
「それについては心配しなくて良い。僕等も色々考えてあるし、便利グッズも用意してある。でも仕事を受けない奴には教えられない」

「マオさん……大まかな仕事内容は説明した。後は貴女次第だ。如何する……受ける? 断る?」
「報酬は?」
やはりそこが気になるか。

「基本給は通常のメイドと同額支払おう。しかし重要な情報を提供したら、その価値に応じて常にボーナスを支払う。なので情報の価値が決まらないうちはボーナスが支払われない」
「……………万が一、私がスパイだとバレて捕ま
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