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かみ合わない返答
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 事故が起こったのは、ミスである。
 誰にでもミスはあるものだ。無論、社会人なら、そのミスの責任を取らなくてはならないが、人間性を疑われるようなことではない。
 だが、その事故を隠ぺいしようとしたことは、故意である。悪意ある対応である、と言わざるを得ない。
 これは、人間性を疑われても仕方のない行為である。
 おれは、即座に運営に問い合わせた。
 9月17日のことである。
 だが、やはり、返事は来ない。
 数日の内に、三通の問い合わせメールを送った。
「この件は、他の不具合とは重要性が違うと認識しております。早々にお返事を頂けますでしょうか」
 要約すると、そんなところだ。
 そして、9月23日の夜、やっと、バッドノベルスから返信が来た。
 問い合わせ続けて、一週間後のことである。
 だが、そこに書かれていた文面は……。
 ――何のつもりだ、これは……?
 おれはまた、唖然とした。
 そこに書かれていた短い文面には、事実確認すらしていないことを推察できる文言と、
「Sk○peテキストベースのチャットで話しをしたい……」
 という、訳のわからないものであった。
 何より、『アドレス流出事故』を起こしたことへの謝罪もなく、メールの削除依頼や、今後の対策と反省――そういったものが一言も書かれていなかったのだ。
 おれは即座に、彼の人間性を疑った。
 自分が仕事でミスをしたとしたら、まず最初に口にするのは、謝罪である。そして、真摯に反省をし、今後の対策を検討する。
 それが、誠意ある対応、というものである。
 それなのに……。
 事実確認もしていない内から、一体何の話しをしようというのか、それも謎なら、その話し合いの場が、Sk○peテキストベースのチャット、とうのも変な話だ。――いや、社会人としての常識の範囲では、考えられない。
 おれは、その短い文面に呆れながら、何度もその文面を読み返した。
 この人に常識は通用しないのか――そうも思った。
 長年、社会人として、社会の常識の中で生きて来たおれにとって、ミスをしておきながら謝罪もせず、事実確認すらせず、また、何の対策も取らず、これからのミスの防止についても、何一つ書かない。
 こんな非常識なことがあるだろうか。
 おれはすぐにネットで、過去の『個人アドレス流出事故』についての対応例を検索してみた。
 どこの企業も公的機関も、その日の内に対応し、謝罪し、流出経路を明らかにして(CCとBCCを間違えた、であるとか、サイバー攻撃をうけた、であるとか)、今後の対策と共に、すぐに被害者に誠意を見せている。
 もちろん、それが普通である。
 ここの運営は、その普通の対応が出来ないのだ。
 おれは、すぐに返信をした。

「すみません。意味がよく解りません。な
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