第一幕その二
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「見ている人は見ているから」
「こんな野暮ったい人間もてないよ」
「だから人は顔じゃないの」
外見ではないというのです。
「何度でも言うわよ」
「今はじめて知ったよ」
「自分が女の人にも人気があるって」
「そうよ、あるのよ」
「それは初耳だよ」
「外見でもお金でもないの」
ここでこうも言ったサラでした。
「そんなのが好きな女の人はまともな人じゃないから」
「悪い人だっていうんだね」
「そんな人はどうでもいいのよ」
「じゃあ大事なのは」
「そう、いい人と結婚することよ」
「いい心の女の人とだね」
「ほら、日笠さんとか」
かなり具体的に言ったサラでした。
「いいでしょ」
「いやいや、日笠さんは僕に興味ないよ」
「本当に?」
「絶対にね」
自分ではこう思っている先生です。
「本当にね」
「そうかしら。まあとにかくね」
「結婚だね」
「そう、結婚を考えるのよ」
それこそというのです。
「冗談抜きでそれこそね」
「ううん、それじゃあ」
「ええ、あとね」
「あと?」
「いや、日本はやっぱり美味しいものは多いわね」
今度はこう言ったサラでした。
「イギリスはね」
「ああ、僕達の祖国はね」
「そっちはどうしても駄目だから」
「うん、そうだよね」
「しかもヘルシーで」
健康的にもいいというのです。
「いいわね」
「お陰で毎日美味しいものを食べてるよ」
「羨ましいわね」
「このお茶もね」
それもとです、サラは玄米茶を飲みつつ言うのでした・
「美味しいわね」
「そうそう、お菓子もね」
「お団子、お饅頭、ういろう」
本日の三段セットはこうしたものです。
「違うわね」
「こっちも美味しいよね」
「ビスケットにしても」
イギリスのものですが。
「こっちのビスケットの方が美味しいわね」
「ははは、イギリスは本当に美味しいものがないのかな」
「少なくとも日本には負けているわね」
「ビーフシチューにしてもだね」
「シチューもね」
サラ箱のお料理のこともお話しました。
「あれもね」
「日本のシチューの方が美味しいね」
「うん、和風シチューもね」
「お味噌汁?」
「いや、肉じゃがだよ」
「ああ、あのお料理ね」
「食材は一緒なんだよ」
シチューと、です。
「お肉にジャガイモだからね」
「それで味付けは日本ね」
「そうなったんだよ」
「ビーフシチューが肉じゃがになるなんて」
「不思議だよね」
「全くよ、ただ本当にお料理も美味しい国ね」
日本もというのです。
「兄さんそちらでも恵まれているわよ」
「うん、幸せ者だよ僕は」
「じゃあもっと幸せになる為に」
「そう、結婚もよ」
それもというのです。
「わかったわ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ