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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#10
DARK BLUE MOONU〜CRUCIFY MY LOVE〜
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【1】


 穏やかなクラシックがそれと気づかない程度に流れる店内。
 天井が高く広い空間にアンティークもののインテリアが
機能的にも華美に配置され、悠揚たる空間を演出している。
 古き良き時代の洋館をコンセプトにした
キャンドル型シャンデリアの淡い照明が降り注ぐ、
大人の雰囲気で充たされた喫茶店の一角に、
花京院 典明は座って、否、『座らされていた』 
「……」
 テーブルを挟んで自分の真向かいに脚を組んで座っているのは、
マージョリー・ドーと名乗る北欧風の美女と
マルコシアスと名乗る……『本』
 何故 『本』 が喋るのかという当然の疑問はさておき、
花京院は眼前の美女を茫然と眺める。
 美女はそんな彼の様子など一向に気にした様子はなく
まるでこの店のオーナーであるかのように制服姿のウエイトレスを呼びつけ、
「一番高い紅茶、ホットで2つ、早くなさい」
と勝手に注文した。 
 完璧な発音の広東語。
 先程も想ったがこの女性は見掛け以上に、自分の想像を超えて聡明だ。
 その妖艶な外見から職業を判別するのは難しいが、
案外歴史学や民俗学系の助教授か何かなのかもしれない。
 だからあのような異様に大きな 『本』 を肩にブラさげているのだろうか?
 最もその 『本』 は喋るのだが。
 半ば拉致同然にこの喫茶店に強制移動させられ、
しかしそれ以外の実害はなく結果としてお茶を御馳走になるコトに
なった花京院は、戸惑ったらいいのか礼を言えばいいのかの判断がつかず
ただ沈黙する以外の術を失っていた。
「まだ、名前を聞いてなかったわね?」 
 思い悩む中性的な美男子を射るような視線で、
真向かいに座る美女が口を開く。
「……え? あ、あぁ、花京院 典明と言います。ミス、マージョリー」
 未だ彼女に対する警戒心 (というよりソレのみ) は薄れないが、
相手が女性なので花京院は最低限の敬意を保ってそう返す。
 その受け答えに、何故か美女の整った眉がピクリと動いた。
「結婚、してるようにみえる?」
「……」
“ミス” の所で僅かに言い淀んだのが気に障ったのか?
 別に深い意図はなく極度の緊張の為口先が巧く廻らなかっただけなのだが。
 非礼を詫びるべきか、しかし是非もなく無理矢理連れてこられたのだから
そのような筋合いもないのか、どちらともつかず花京院が口を閉ざしていると、
「いいじゃねえか、いいじゃねえか。
“ミス” でも “ミセス” でもよ。
我が永遠の伴侶、マージョリー・ドー。
大体ンなコト気にするよーな “歳” じゃあね
グボォアッッ!!」
 上品な店内の雰囲気をブチ壊しにする銅鑼声と共に、
女性に対して絶対言ってはいけない禁句を躊躇なく口走った 『本』 に、
美女の正義の
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