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天才少女の月旅行
幕間の物語 檻の中の少女
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私という存在が初めて認識したのは檻だ

曰く私は西欧財閥と関係のある教会で発見されたらしくその手にはメガネ型礼装ナベリウスそして名前を書いた紙があったという
佐々野という名前に一部の人間は親に予想がついたというが…

何はともあれ保護されてすぐにウィザードとしての才能が見られ研究施設に入れられた

私の魔術回路を見た研究者達は色々と揉めたらしい

ホルマリン漬けになっていた可能性もあったと昔聞いたが実際それが一番有力だったらしい

結局

私はマリアと名乗る女性に牢屋の中で育てられることになった

私にとってはウィザードとしての師でもあるマリアだがウィザードとしての才能は平凡だった

だが

人を育てるプロだった
人心掌握のプロだった
そして洗脳のプロだった


ただ幸いなことに私は彼女に気に入られた……というか溺愛された

彼女はマリアは周囲の人間を使って私を人間にしてくれた

魔術回路を異常に保有した人型の実験動物から優秀な魔術回路を持つ天才になることができた






様々な研究成果を上げて一部はマリアに渡す
恩人であるマリアに自分の成果を渡して褒められるのがたまらなく嬉しかった


いつしか私にも弟子ができて私の人生の最高潮


しかし悲劇が訪れた


人工的に作る人間

デザインベビーにも私レベルの魔術回路を持って生み出すための実験をしろと上から強力な圧力がかけられ私は実行するしかなくなった

できるわけがない


実験は当然失敗

私の魔術回路はボロボロになった

マリアと弟子に見つかる前に私は一人で西欧財閥の中心的研究施設から出て行った

怖かった

マリアに見捨てられるのが  弟子に失望されるのが

一人ぼっちになったのは教会に置かれた時以来になるんだろう

その時初めて私は自分の意思で行動をすることができたわけだ







結局マリアと弟子にそれ以降会うことはなかった


ジナコ等の遊び仲間やウェイバー君と知り合ってからは落ち着いていたがそれより前の私は目も当てられなかっただろう

静かに錯乱していたような状態だった



今なら思う
私はマリアに出会って西欧財閥の人形になることは回避できたが
マリアの人形になっていたのだろう

まぁ、それはそれで楽しかったけど


あぁ、そうだマリアと弟子の優衣

どうして二人のことを忘れていたのだろう?






























目を覚ますとバーサーカーが心配そうに見つめていた

「あー、そうかルヴィアを倒した後気を失った
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