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英雄伝説〜菫の軌跡〜(閃篇)
第35話
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ねているのだけど………”特別取締役”である彼女は他の取締役達と違って会長である母様と同じ権限を持っていて、社員たちからは母様の”跡継ぎ”やら母様に何かあった時の為の”代役”とか色々と噂されている人物よ………」

「わたくしも”Ms.L”の噂は耳にした事がありますわ。何でもゼムリア大陸一と称されている資産家でありながら社交界のような公の場に決して現れない方で、”四大名門”の当主の方々やお父様が彼女に招待状を出しても袖にした事から口が悪い貴族達は以前色々と彼女の悪口を言っていたそうですが、後にその貴族達は”Ms.L”によって破滅に追いやられて取り潰しになった事から、上流階級の方達の間では彼女の悪口は禁句(タブー)である事が暗黙の了解になったと。ちなみに今年の夏至祭の招待状も送りましたが、既に欠席の連絡が来ているとの事ですわ。」

オリヴァルト皇子の話を聞いて疑問に思ったガイウスの質問にユーシスとアリサはそれぞれ答え、アルフィン皇女は二人の説明を補足するように答えた。



「貴族を破滅に追いやり、取り潰しですか………」

「どれだけ凄いお金持ちだったとしても幾らなんでも貴族を破滅に追いやるなんて無理だと思うのですが………」

アルフィン皇女の話を聞いたエマは表情を引き攣らせ、エリオットは不安そうな表情で呟き

「それが可能なのが”Ms.L”なのだよ。帝国貴族は”血統”が重視されている傾向だが家を存続させるためのお金がなければ、取り潰しになる。そして家を存続させるためのお金を稼ぐためには領地経営や商売や投資等で儲ける事なのだが………莫大な資産を持ち、数々の企業の権力を握る”Ms.L”は”経済制裁”として”Ms.L”のターゲットになった貴族達が取引している企業がその貴族達と2度と取引させないようにする事やその貴族が経営している領地から商人達を撤退させる事が可能なのさ。そして家を存続させるためのお金を稼げなくなった貴族達は破滅に追いやられて、その結果取り潰しになる……まさに”現代の福の神”と称えられている者の”力”という事だろうね。」

「……父上―――アルバレア公爵にとっても”Ms.L”は”天敵”だと兄上達から聞いた事がある。何せ”Ms.L”は公爵家と取引している企業の経営に口出しできる権限も全て所有している上、その事を目ざわりに思った父上が”Ms.L”が持っている公爵家と取引している企業の権限を全て金や権力で奪おうとしたが、”Ms.L”の経済制裁によって手痛い目に遭った事から、公爵家と取引している企業を通しての”Ms.L”からの和解の申し出を受け入れた――――つまり、父上が”Ms.L”に対して事実上の敗北を認めたとの話だからな。」

「なっ!?あのアルバレア公爵が……!?」

「バリアハートであれ程強引な手を使ってマキアス
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