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SECOND
第一部
第二章
第十六話『どうか完璧な魔法少女になって』
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 ほむらが気が付くと、朝になっていた。ほむらはソファーに寄り掛かってそのまま眠ってしまっていた。知らぬ間に毛布が掛けられていた。台所から鼻歌と料理をする音が聞こえていた。
ほむら「まどか!?」
 ほむらが毛布を撥ね除けて台所に向かうと、そこには妙に楽しそうなまどかが朝食の用意をしていた。
まどか「あっ、ほむらちゃんおはよう。」
 そのあまりの屈託のない声に、ほむらもつられて答える。
ほむら「うん、おはよう…」
まどか「もう出来てるから、早く席に着いて。」
 言われるがままにほむらが席に着くと、朝食のフレンチトーストが出て来た。ココアパウダーの入ったカップにヤカンの沸き立てのお湯を注ぐと、まどかも席に着いた。そしてまどかは手を合わせ、一礼をする。
まどか「ほむらちゃん、頂きます。」
 それを見たほむらは、まどかが自分を促していると思い、同じように手を合わせた。
ほむら「まどか、いただきます。」
 二人は食べ始めた。
まどか「これはうちの、鹿目家の定番メニューだったんだけど、上手く出来てるかなぁ。どう?ほむらちゃん。」
ほむら「うん、とっても美味しいよ、まどか。」
まどか「そう、良かった。」
 暫く沈黙の中、食事は進んだ。ほむらは昨日の唯の話の中で、一つ気になっていた事があった。
ほむら「ねえ、まどか。いつもお昼はどうしているの?」
 そう問われたまどかは、まるで待ってましたと言わんばかりに答えた。
まどか「じゃーん!はい、これ。」
 まどかはお弁当を二つ取り出した。
まどか「こっちがほむらちゃんので、こっちが私の。」
 そう言ってまどかは、二つの内の一方をスーッとほむらの方に差し出した。
ほむら「そう…ありがとう。」
 ほむらはそれ以上何も言わなかった。不必要な事を言ってまどかの好意を台無しにしたくなかったからだ。
 そして朝食を済ませると、ほむらは身支度をしていつもより早く学校に行く事にした。まどかの作ったお弁当を最後に鞄に詰め込むと、玄関でまどかに挨拶をする。
ほむら「じゃあ行って来るね、まどか。」
まどか「はい、行ってらっしゃい、ほむらちゃん。」
 まどかは妙に嬉しそうに返事をした。

  ?

 登校中のほむらは焦っていた。昨日の夜は眠ってしまっていたのだから、もし狩りがあったのなら連続の無断欠務となり益々立場が悪くなってしまう。しかしマミが亡くなりあれだけの事があったのだから、普通狩りなんてしようと思わないものではなかろうか。もししたとしても何らかの連絡があった筈ではなかろうか。ほむらはもはや、昨夜は狩りが無かった事を祈るような気持ちになっていた。とにかく翠か陽子を見つけなければと、ほむらは必死だった。そしてほむらは幸運にも一人でいる陽子を発見した。正直、今の翠には気不味くて話し掛け辛
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