暁 〜小説投稿サイト〜
GATE 株式会社特地電工 〜彼の地にて 斯く戦えり〜
第一部
事務所が無い?!その1
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 私は地方のしがないサラリーマン。

 名前は大村貴之、役職は主任、38歳、独身。


 現在、新幹線で移動中。

 車窓の景色は見えてはいるが、見てはいない。ほとんど頭に入ってこない。


 なぜなら今朝、上司に関連会社への出向を言いつかったばかり。
 
 いまはその関連会社へ、ご挨拶に伺う途上。



 いや、関連会社かどうかさえもわからない。

 ・・・だって、聞いたことのない会社名だったぞ?。



 特地電工?



 うちにそんな関連会社あったっけ?

 しかも、たしか気になることを上司が言っていたぞ?

 「(新しい)勤務地は東京銀座のちょっと向こうの異世界だ」だって?



 山手線から皇居側ではないのは、この際、我慢するとして・・・



 ・・・あれ?

 東京か? ・・・転勤・・・引っ越し。




 ひょっとして、悪くないんじゃないか?




 ・・・今朝の上司や総務の段取りについては気にくわなかったが。


 出向を同僚の前で軽く切り出され、しかもその直前に白紙の「社宅退去届」が届く始末。


 この扱いは、どうだろう?!



 藤村ディレクターに無茶振りされたばかりの大泉洋みたく、ここで怒らなければ!
と わなわな してたけど・・・

 大泉洋のように、ゴネてボヤいて、挙げ句の果てに上司に「ばぁか!」と言って
みたかったんだけど・・・



 しかし、よく考えてみれば、新しい勤務先のGATEから秋葉原までは3駅ちょっと。

 中央通りを3kmほどだ。営業車で行っても良い。会社にバレたら怒られるけど。

 会社帰りに、毎週でも零時売りに並べちゃうのでは?



 あれ、新しい住まいはどこだ?

 GATEの向こうは自衛隊以外、民間人は入っていっちゃいけなかったのでは?

 危険だから・・・異世界?ファンタジー??いやいや、この際、望むところだ。


 多少の危険があるとはいえ、ドラゴンとか見てみたいし。

 自衛隊と違って武器はないけど、うまいこと仮設で引っ張った高圧電流とか流したら死ぬんじゃないか?


 それとも、あちらでは民間人にも武器を貸してくれるんじゃないか?

 パンツアァーファウスト(携帯式対戦車擲弾発射器)、あれは撃ってみたい。

 ドラゴン、空飛ぶからな、だったならスティンガー(携帯式防空ミサイル)か?




 
 出張で新幹線の移動とは、どうしてこう、とりとめのないことばかりに考えが巡るのだろう?就業時間中なのにヒマな上、することがない、というのはとても居心地がよい。サラリーマンのほとんどは出張が大好きだ。手当もち
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ