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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#7
SILVER CHARIOTU 〜King Crimson〜
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【1】

 燃え盛る “火時計”
 眼前の白銀の騎士、 「戦車」 を司るスタンドが創り上げた戦慄のオブジェ。
その真紅の文字盤、最初の部分が静かに焼け落ち次の 「2」 が燃え始める。
「この炎が 「12」 を燃やすまでに私を倒すですって? 大した自信ね」
 眼前の銀髪の青年、重装甲をその身に纏った生命の幻 像(ヴィジョン)
「本体」 に向け、真紅の瞳と深紅の髪を携えた少女が言葉を返す。
「……」
 そして少女は纏った黒衣を揺らしながらそのまま青年の脇に在る
“火時計” へと音も無く歩いていきそこで、
「はあぁぁッッ!!」
峻烈なる声で右腕を真一文字に薙ぎ払う。
 抜き放たれたその右腕の先には、少女の身の丈に匹敵するほどの大太刀が
既に握られている。
 冷たい刀身の煌めきに走った刃紋がそのまま空間に鳴動するような大業物。
 異次元世界の討滅刃、その銘を “贄殿遮那”
 少女の手から放たれた脅威の一閃は若干の(いとま) を以てその結果を現し、
眼前の “火時計” は正確に両断され
鏡のような切断面から上部分が滑り落ちる。
「……」
 火時計の倒壊音と共に、彼等の後方にいた無頼の貴公子が微笑を浮かべる。
 相も変わらずの鋭さ、携えた極刀の威力をほぼ完璧に引き出す技の冴え。
 その彼の視線を知ってか知らずか肩口に炎架の紋章が刻まれた制服姿の美少女は、
周囲に舞い墜ちる無数の炎と共に眼前の騎士へ凛々しい視線を返す。
「生憎だけれど、 “炎” よりも 『剣』 の方が得意なのよ。この私は。
どうやら自惚れが過ぎたようね? おまえ」
 そう言って降り落ちる炎の下、
己よりも遙かに長身の男を傲然と見据える。
 しかしその男は眼前の事態にも顔色一つ変えず少女を見据え返す。
「フム、どうやら名前に騙されたようだ。
まさかオレと同じ “剣士” だったとは。
しかしこのオレを自惚れというのか?
このオレの剣捌きが……」
 そう言った男の手には、いつのまにか5枚のフランス銀貨が乗せられている。
「自惚れだとッ!?」
 そう叫ぶと同時に男は、手にした銀貨を全て無造作に空間へと投げ放ち、
炎と共に舞い踊るソレをスタンドと共にライトブルーの瞳に映し、構える。
 そして。
「―――――――――――ッッ!!」
 少女とは対照的に声はなく、しかしその全身から発せられる威圧感は劣るコトなく、
瞬く間の更に一瞬の(まにま) に白銀を撃ち放つ。
 その荘重なる騎士のスタンドが携えるサーベルの切っ先で、
揺らめきと共に光を称えるモノ。
 その存在を認めたジョセフが叫ぶ。
「く、空中に放たれた5つものコインをたったの一突きで!
重なり合った一瞬を貫いたッ!」
「いや……ソレだけじゃあねぇ。よく見て見
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