暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
種族の憂慮
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その音質が、若干変わっていた。

『――――ッ!』

『ッ………………………!!』

『――――!!!』

怒号。

悲鳴。

そして明らかな――――戦闘音。

「な、何……!?」

「何が起きてるんや!?」

思わず駆け込んできた女性プレイヤーをも放って置いて、二人は窓に走った。

鍵の有無さえも確認せずに、ガラスを割り砕かんとばかりの勢いで開け放たれた硝子窓。その外に広がっていた光景に、思わずアリシャとヒスイは喉を鳴らす。

アイボリーが日に焼けたようなサンドイエローの煉瓦で組まれた尖塔群。ケットシーの首都、フリーリアの代名詞とも言えるそれらの合間から――――不吉な煙エフェクトが見て取れた。

「こ、これは……」

そこは、戦場だった。

紛れもなく、そして逃れようがない。

主人公がいない、戦場だった。
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