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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百四十話 嵐の前
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と考えれば何をするか? 今回の事を考えれば判るだろう。政治家たちと直接繋がろうとするに違いない。貴官達は彼らに隙を見せてはいかんのだ」

「……」
「私はその点で誤りを犯した。本当ならもっと政治家たちと接触するべきだったのかもしれん。それを怠ったがゆえに主戦派達にそこをつかれ、今回の愚行を許してしまった……」
「……」

応接室の中に沈黙が落ちた。確かに本部長は政治とは一線を画してきた。私はそれが正しい姿だと思っているが、現実と理想は違うということだろうか。

〜軍人は政治には関わるべきではない、それは政治が軍を正しく使用するならばの話だと小官は思います〜
グリーンヒル中将の言葉がまた頭をよぎる。サンフォード前議長は軍を正しく使用しなかった。私達は政治家を無条件に信用してしまった……。

「私はトリューニヒトを信じてはいない」
本部長の言葉に皆頷く。当然だろう、そう簡単に信じられるはずがない。私達が頷くのを見て本部長は言葉を続けた。

「おそらく貴官達も胡散臭いものを感じているだろう。だからこそ貴官達は彼に協力しながら監視しなければならんのだ。二度と間違いを起してはならんし、起させてもならん」
「……」

「私は軍を退役することになるが、その後はレベロのスタッフとして彼を支えていく事になるだろう」
「本当ですか、それは」

思わず声が出た。本部長を危険視したレベロ委員長に協力する?
「本当だよ、ヤン提督。確かにレベロに対しては腹立たしい思いもある。しかし、今回の人事は私のスタッフ入りへの条件だった。彼は約束を果たした、私も約束を果たすべきだろう」
「!」

今回の人事が本部長の協力への条件だった……。レベロ委員長はトリューニヒトに対して人事案を飲ませた。あの二人の信頼関係、協力体制は決して脆弱ではない。

「私達は立場は違うがこれからも共に戦う仲間だ。堅密に連絡を取り合い、協力していこう。よろしく頼むよ」



帝国暦 487年10月10日   オーディン 宇宙艦隊司令部  ニコラス・ボルテック



宇宙艦隊司令部の応接室で俺はヴァレンシュタイン元帥と相対している。ヴァレンシュタイン元帥はにこやかに微笑んでいるがこの笑顔ほど危険なものはない。初対面の時から嫌と言うほど思い知らされている。

「ボルテック弁務官、アントンがぼやいていましたよ。弁務官がなかなか信じてくれないと」
元帥の言葉に思わず失笑した。俺にフェルナー准将を疑わせるように仕向けたのは他でもない、目の前の元帥本人だ。

「悪い人に騙されたのです。フェルナー准将には申し訳ないことをしました」
「もう疑いは晴れたのでしょう?」
「ええ、大丈夫です」
「それは良かった」

元帥はそう言うと嬉しそうに微笑んだ。知ら
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