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=入試編= ヘルプセレクト
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まとうのだが、俺はそれが「凄まじい眠気」という形で現れる。試験前に刺激の強いドリンクを飲んでノリがいい曲を聞いて中二感全開で戦闘に突入したおかげでこれまではアドレナリンがドバドバだったが、流石に5分立て続けに使い続けたツケが微かに俺の意識を奪いつつある。
 運命への干渉、その代償は俺が行動できなくなることで支払われるのだ。まったくもって厄介な代償だ。

(くっそぉ………相澤先生じゃねえけどこの試験方法マジで見直してくれよ!俺はここで止まるわけにはいかねぇんだ……クソカッケぇ未来のヒーローが死ぬ運命を、俺は変えなきゃならねぇんだよ!!………ダメだった時のためのプランも用意してあるけどなっ!!)

 アツいこと言っておいて何だが、ちゃんとダメだった時のための激セコプランは十重二十重ある。要は自分の代理でA組の誰かに事実を伝えてしまえばいいのである。これでも一応未来は変えられる……相手が俺を信じてくれればという限定条件付きでだが。

「あーあ……せめてどっかに超絶ピンチな女の子とかがいて俺がそれを華麗に助けられたらレスキューポイントガッツリなんだがなぁ」

 ま、ないだろう。ダンジョンで出会いを求めるぐらいない。そんなチョロイン侍らせるエロゲ主人公的な展開は現実にはまず起こり得ないわけで、そうつまりデクくんは現実じゃないんだ(錯乱)。――もとい、俺には少なくともそんな瞬間は来ないだろう。
 そんなことを考えていると、向こう側から腹の底を叩くような地響きと共に頭おかしいサイズのロボットが接近しているのが見えた。0Pロボットだ。カービィで言うゴルドー的な。そういえば実はカービィシリーズのシャッツォって初代だけ無敵キャンディで撃破可能だったなぁ、などと思い出しながら、俺は自分の不合格を悟った。
 やっぱ実際問題、デクくんの運命変えるって無茶あるよな。だって本人がガンガン運命変えていく系だもん。しゃーないしゃーない、次善の策でどうにかしましょ。

「…………て〜〜〜……」
「ん?なんか聞こえるな」
「………けて〜〜〜!」
「……ふむ、親に置いてけぼりにされて助けを求める子猫的な切ない響きを感じるな」

 どこかそれなりに近い場所から、女の子の声が聞こえる。この巨大ロボットが迫ってる状況でなんとも情けない声を出しているようだが、どこの誰だろうか。ロボットから逃げている連中かと思ったが、それとは反対方向から声は届いた。

「たぁぁ〜〜すけて〜〜〜〜!!」
「と言われましても、そもそもどこにいるんだ……?」

 
 俺もそろそろ逃げなければいけないし、助けられるなら急いで助けてしまいたいのだが……そう思って周囲を見渡しても、ロボットの残骸とだんだん迫りくるロボットしか見えない。助けろと言われたらとりあえず助けようとするのは人の性だ
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